ピックアップ在庫管理仕入れ・受発注

AIで需要予測! 不定期での定量注文する食材の91.7%を自動化成功!!【HANZO 自動発注】

2022年3月17日 8:53 am

 外食産業向けクラウドサービス〈HANZO 自動発注〉を運営するGoals(ゴールズ/東京・新橋、佐崎傑代表)は、人工知能技術の有効性研究の官民プロジェクトに参加し、店舗におけるAI需要予測・自動発注の実現を目指した実証実験を実施したところ、不定期で定量発注する食材のうち91.7%で完全自動化に成功した。

 実証実験は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が国立研究開発法人産業技術総合研究所に委託した「人工知能技術適用によるスマート社会の実現/生産性分野/農作物におけるスマートフードチェーンの研究開発」の一部実験について伊藤忠商事が受託し、Goalsと共同で実施したもの。

 〈HANZO自動発注〉は、過去の売上実績をAIが学習し、店舗ごとに天候や時期に応じた来客数と各メニューの注文数・売上を予測。この売上予測とシステム内で管理している各メニューに利用される食材分量表(レシピ)情報を合わせることで、食材別に使われる量の予測を立て、人の判断を介さずに適正な食材の発注を実現するクラウドサービス。

 現在、「肉汁餃子のダンダダン」の全77店舗(実験時点、FC加盟店除く)で、インフォマートが提供する〈BtoBプラットフォーム受発注〉へ発注データを連携する形で導入しており、導入時の機能では1店舗あたり最大で月間12.5時間の発注業務の時間削減を実現した。

△サンプル画面

 今回の実証実験では、一部残っていた発注担当者が行う操作を、AI予測精度を向上させることで完全自動発注を実現できるかを試みた。そのために、「肉汁餃子のダンダダン」の首都圏3店舗で昨年12月に検証を実施。食材には発注の傾向を分類し、全体の約58%が合致した不定期定量発注モデル(発注タイミングは不定期だが、毎回必ず一定数発注する方式)の食材を各店舗平均67品目選んだ。その結果、選出した食材のうち91.7%で適正量での完全自動発注を実現した。

 ダンダダンの福田亮介取締役営業部長は「プロジェクトを進めていく中で、当社が抱える問題点を解消できるイメージができ実現に向けて進んでいると感じています。今後は発注の属人化の廃止、店舗における食材ロスの見える化、業務負担を最大限軽減できる未来に向けて取り組みをさらに進めていく」とコメントした。

 同社では今回の結果を受けて「AI予測精度の改善で対象食材の完全発注自動化を100%実現できる可能性がみられた。今後は対象食材の拡大のため、機能の更なる拡充に取り組む」としている。