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飲食店と卸・生産者つなぐ流通プラットフォーム開設! コストダウンや業務効率化、仕入力強化に【JR東日本商事】

2023年4月21日 1:35 pm

 JR東日本グループの基幹商社であるJR東日本商事は、生産者と卸売業者の販路拡大による地域活性化と、飲食店の業務効率化・付加価値造成を推進する流通プラットフォーム〈JEDO(ジェード)〉を開設した。〈JEDO〉は、「Join Everyone and Determine to Outshine」の頭文字を取ったもの。

 同社は、これまでJR東日本グループ企業のコストダウンや売上拡大、地域活性に貢献してきた。今回、その知見を活かしてリアル(駅・人)とデジタル(〈JEDOシステム〉)を融合させ、生産者と卸売業者、飲食店の3者をつなぐプラットフォームを構築することで商社機能のDX化を推進。JR東日本グループのスケールメリットを共有した業務効率化、販路拡大を提案していく。

〈JEDO〉のスキーム図

 

 具体的には、「効率」「Marche」「Connect」を3本柱とするサービスを展開し、順次開始していく。各サービスの概要と特徴は以下の通り。

■JEDO「効率」
 JEDO「効率」は、電話やファクスによる発注をスマートフォンやパソコンに置き換え、受発注業務のミスを防ぐと共に、発注履歴からリピート購入や定期購入を簡単にできるようにする。また、債権管理や与信管理機能を同社が担うことで債権回収リスクを低減でき、新規取引の拡大にも寄与するとしている。

【生産者・卸売業者向け】
①システム操作の権限や承認の設定でコンプライアンス強化を推進
②SBIビジネス・ソリューションズが展開するクラウド型請求書管理システム〈請求QUICK〉を利用し、債権管理をJR東日本商事が担うことで、債権未回収のリスク低減や業務効率化を実現し、新規取引先の拡大推進
③LINEと連携したスマートフォンでの操作やFAX-OCR機能により、飲食店は簡単に導入可能
【飲食店向け】
①発注データをスマートフォンで確認でき、発注漏れや二重発注などのリスクを低減
②定番カタログの登録や定期発注設定で発注業務を軽減
③リクエストに応じた商品提案を受けての商材購入が可能

■JEDO「Marche」(7月サービス開始)
 JEDO「Marche」は、全国のこだわり食材を調達できる飲食店向けECサイト。厳選された商品を購入できるほか、食材の活かし方を共有するなど、どうすればマーケットインできるるかを一緒に考えながら販路拡大に貢献するとしている。

【生産者・卸売業者向け】
①商社機能を持つJR東日本商事が仕入販売することで、取引に関わる契約や債権管理の工数を削減
②サンプリングによるマーケティング調査を行うことで販路拡大を支援
③JR東日本グループのネットワークを活かして有識者を組織化し、商材の売り方や商品開発を提案
【飲食店向け】
①各行政や道の駅などから、その季節ならではの商材提案を検討可能
②シェフ同士の意見交換会やコンサルタントとの相談会への参加
③JR東日本グループのスケールメリットを活かして食材だけでなく消耗材のコストダウンも実現

■JEDO「Connect」
 JEDO「Connect」は、「ヒト」と「モノ」を繋いで新たな価値を創造し、業務効率化や販路拡大につなげる取り組み。JR東日本グループのスケールメリットを活かした調達見直しによるコストダウンの提案や、駅ビルなどでのテスト販売、グループ会社への商談会実施などで経営をサポートするとしている。

【スケールメリットを活かしたコストダウン提案】
①価格面だけでなく安定的な供給で欠品リスクを低減
②グリーンサービスや保険、機材リースなど幅広い分野での見直しに対応
【リアルな場でのテスト販売実施】
①マーケティングの目的に合わせ、都心・郊外・地方といったさまざまな場所を選択可能
②販売実績データとバイヤーコメントなどをフィードバックすることで販路拡大に貢献
③営業支援など継続的にフォローアップ

 飲食店は無料で利用でき、生産者・卸売業者は、マスタ登録作業費用、導入コンサルティング費用、導入設定、導入研修費用などの初期費用と月額3万円(税別)がかかる。初期費用はシステム環境や登録数などによって変動する。また、補助金などの活用も検討している。