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酒粕・生醤油・米麹を追熟!おいしくて環境と健康に良い調味料って?【「越後ど発酵」共同プロジェクト】

2024年2月5日 8:59 am

 2024年1月10日に発表された第4回「食べるJAPAN 美味アワード2024」でグランプリに選ばれた、〈越後ど発酵 古志(こし)漬けの素〉(「越後ど発酵」共同プロジェクト/新潟https://echigo-dohakko.jp/)。

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 〈越後ど発酵 古志漬けの素〉は、廃棄予定だった酒粕をアップサイクルし、酒粕・生揚げ(生醤油)・米麹を独自の比率でブレンドして追熟させる事で、酒粕が苦手な人でも楽しめる風味に仕上げた。

〈越後ど発酵 古志(こし)漬けの素〉

 「美味アワード2024」の審査員を務めた一般社団法人ChefooDo(シェフード)会長で「リストランテ・アルポルト」オーナーシェフの片岡護氏は、「調味料というの意外だったが、豚肉漬け込んでも良いし、パスタソースに混ぜるとアンチョビのような味わいになった。汎用性が高く、幅広く使えると感じた」と評した。

 記者も表彰式で試食したところ、塩味はそれほど強くなく、酒粕独特の風味はほぼない。濃い旨味と複雑な味わいが感じられて、どんな素材にも合う調味料だと感じた。和洋中のジャンルを問わずに使えそうだ。

野菜やゆで卵を漬け込んだり唐揚げの下味にしたりと幅広く使える

 同プロジェクトによると、「お好みの具材にディップソースとしてつけて利用したり、漬物の素として、野菜はもちろん、魚や肉の切り身を漬けるのもいい。酒粕・加熱前の生醤油・米麹の3つの酵素が入っており、健康や美容に関心のある方にもおすすめ」だとする。

 現在は市販用にパッケージしているが、業務用として利用したい場合は問い合わせ(tosaki@plantform.co.jp)してほしいという。

■「越後ど発酵」共同プロジェクトとは?

 「越後ど発酵」共同プロジェクトは、21年8月6日の「発酵の日」に、新潟県長岡市に本社を構える4社(柏露酒造、新潟県醤油協業組合、越後長岡味噌醸造 たちばな本舗、プラントフォーム)が「『越後ど発酵』共同プロジェクト」として発足したもの。

 新潟県内の食品ロスを4社共同で新たな発酵商品にアップサイクルすることで、食品ロス軽減に貢献するもので、食品製造業で発生する約1万tをゼロにする食品ロス削減を計画している。

 4社が共同で商品を開発する強みは、互いが持つ発酵技術を有効に活用でき、自社だけでは開発できなかった商品をスピーディに開発&販売できると説明する。

 同プロジェクトによると、「発酵・醸造の町である新潟県長岡市は、かつて『古志(こし)』という地名で親しまれ、町には沢山の酒蔵・醤油蔵・味噌蔵があり、人々は発酵食品に囲まれて生活していた。酒蔵から大量にでる酒粕は生活に溶け込み、漬物や煮物など、保存の効かない野菜を長期間楽しめる素材として循環していた。しかし、生活は多忙を極める現代、酒粕は家庭で使用される事は無くなり、廃棄処分されるようになった」とする。

 その上で「今回のプロジェクトは、その懐かしい古志の発酵循環の風景を現代に蘇らせる。酒粕・米麹・醤油をブレンドし、追熟させたものを〈古志漬けの素〉と名付け販売して生活に根付かせることで、古志の発酵循環を復活させる」と意気込む。

 今後は「越後ど発酵」ブランド商品を開発し、国内はもとより海外へ流通される日本酒とセットでの販売を視野に入れているという。