日本能率協会コンサルティングは、農林水産省の「令和5年度補正予算『外食・中食産業持続的発展対策事業』」を受託し、嚥下障害や食物アレルギーなど飲食に制限を抱える人や高齢者、障がい者に配慮した食事の提供方法やメニュー開発に取り組むコンソーシアム(※1)に対して補助金を提供する「インクルーシブ対応や環境配慮の取組補助金」の募集を始めた。専用ウェブサイト(https://jmac-foods.com/adopted/1827/#torikumi01)で受け付け、応募締め切りは5月24日17時。
※1:共通の目的を持つ複数の組織が協力するために組成する共同体
今回の補助金は、「外食・中食産業の持続的発展に向けてマーケットの世界的な潮流を踏まえつつ、これからの外食・中食産業を牽引する事業者などによるインクルーシブ対応や環境配慮の取組(モデル実証)を支援するとともに、消費者理解の醸成や同様の取組の広がりに資する優良事例の収集・発信を行う」ことを目的としたもの。
具体的に「インクルーシブ対応への取組」としては、「飲食店で高齢者や飲食に何等かの制限を抱える人(嚥下障害や食物アレルギーなど)に配慮した食事の提供方法の見直しやメニュー開発」、「飲食店などでの食事でハンディキャップを抱く人への配慮づくり」、「視聴障がいや高齢者に対し、メニュー表示の改善や使いやすい注文システムの開発、店舗施設の改修、利用啓蒙」などを例に挙げる。
「環境に配慮した取組」では、「使い捨てプラスチック容器の廃棄量削減に向けた代替品の開発と利用普及」、「自然素材容器のコスト低減による汎用化や利用拡大の取組」、「モデル実証をとおした使い捨てプラスチック削減などに関する意識啓蒙活動や教育の実施」などを支援する。
補助対象となるのは、外食事業者、中食事業者、機械メーカー、システムインテグレーター、情報関連企業、研究機関、コンサルタント、外食産業関係団体、中食産業関係団体などを構成員とするコンソーシアムで、「組織運営に関する規約(コンソーシアム協定書)」があり、規約の中に代表事業者(以下、「コンソーシアム代表事業者」)を設けることが条件となる。
コンソーシアム代表事業者とは、コンソーシアムを構成するすべての事業者のうち、補助金の応募などを行い交付の対象となる代表の事業者を指し(他の事業者を共同事業者という)、2022年1月1日以前から現在(申請時点)まで2年間の事業活動の実績が必要となる。また、コンソーシアム代表事業者の業種や規模の指定はないものの、コンソーシアム内には必ず外食または中食事業者が含まれていることが条件となる。
補助率は「1/2以内」で、補助金の上限が1500万円以下、下限が100万円以上となる。補助対象となるのは、補助事業のために使用される店舗等事業計画の実施に不可欠と認められる施設改修費や機械・器具などの導入費、技術導入費、広告掲載費、分析・試験・加工・データ入力など外部業者に行わせる経費、人件費など。
また、今回の補助金制度の募集を受けて、嚥下障害のある子どもとその家族のコミュニティを運営し、障がいを持つ人と健常者が一緒に楽しめるメニュー開発を支援する一般社団法人mogmog engine(モグモグエンジン/永峰玲子・加藤さくら共同代表、https://snack-toromi.com/)では、一緒にコンソーシアムを組む外食企業などを募集している。
※参考ページ
インクルーシブフードって何? 障がいのある人もない人も共に外食を楽しめる世界実現へ【モグモグエンジン】
https://foodfun.jp/archives/25187