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キャビア!フォアグラ!トリュフ!三大珍味を植物性食材で再現!【Dr.Foods】

2024年5月9日 1:04 pm

 世界三大珍味といえばキャビア、フォアグラ、トリュフだ。キャビアはチョウザメの卵を塩漬けにしたもの、フォアグラはガチョウやアヒルの肝臓を強制給餌により肥大させたもので、昨今は動物保護の観点から、欧米を中心にこの2品を敬遠する消費者も増えつつある。

 それならこの三大珍味を、すべて植物性素材で作ってしまおう──そんな会社が現れた。

 フードテック企業のDr.Foods(岩手・花巻、石塚孝一社長)は、代替肉の研究開発や代替肉商品の企画・製造を手掛けており、「Save the Earth with the power of science」を掲げ、地球を科学の力で救うことを目的としている。

 そんな同社は、動物保護や資源管理の観点から、2022年に〈植物性フォアグラ〉を、23年に〈植物性キャビア〉を開発・発売した。いずれも動物性食材不使用だ。

 〈植物性フォアグラ〉は、粒状のカシューナッツをある麹によって特定の温度で発酵させたのち、再度また特定の温度帯で発酵させたものを原料にしたもの。現在は業務用向けに原木タイプ(500g)で展開している。

〈植物性フォアグラ〉調理例

 〈植物性キャビア〉は主に海藻の抽出成分を始めとした多糖類を原料とし、独自の技術で油脂を内包させ、人工いくらと同様、凝固液のプールに滴下して製造する。

 一般的な植物性キャビアは、通常のキャビアと比較して油脂の含有量が少なく、また食感もプチプチしていることが多く、味と食感を同時に再現することが難しいとされている一方、〈植物性キャビア〉は油脂を多く内包し、高級感のあるなめらかな口当たりと味わいを両立させた。

〈植物性キャビア〉

 そして24年5月8日、〈植物性トリュフバター〉30g1500円(業務用)を発売した。

 〈植物性トリュフバター〉はイタリア・トスカーナ産の最高級トリュフ原料を5%使用。合わせる植物性バターは米油を主原料とし、マーガリン臭の軽減やバターの融点に近い温度設計、トリュフの香り立ちが良い配合量などを工夫した。トリュフ香料は不使用。

〈植物性キャビア〉(右奥)、〈植物性フォアグラ〉(左奥)に加え〈植物性トリュフバター〉(手前)で植物性の世界三大珍味が揃った

 製造は〈植物性フォアグラ〉〈植物性キャビア〉〈植物性トリュフバター〉とも、植物性代替肉惣菜の製造販売を手がけるマーマフーズ(岩手・花巻、石塚孝一社長)が行う。〈植物性トリュフバター〉の登場により、植物性の世界三大珍味が揃ったことになる。

 Dr.Foodsは「〈植物性トリュフバター〉は、取引先の高級レストランからトリュフを使用した植物性食材の要望があり開発した。テスト段階ではバターの風味が強すぎず、トリュフの華やかな香りが立つと好評だ。アメリカやシンガポール、オランダなどで試食会を開いたところ非常に高い評価を得ており、今後は本格的に海外展開を推進していく」という。

 同商品の発売にあたり、東京・表参道のハンバーガー店「WAYBACK BURGERS(ウェイバックバーガーズ)表参道店」にて、〈植物性トリュフバター〉と代替肉の研究開発を手がけるネクストミーツ(北海道・ニセコ、石塚孝一社長)の〈代替肉パティ〉を使用した〈NEXT トリュフバターチーズィー〉2200 円~を5月11日から8月31日まで期間限定で発売する。

〈NEXT トリュフバターチーズィー〉

 また、ブライダル事業を手がけるトレーダー 愛(山口・小月、神田忠社長)は23年9月から、「ノートルダム横浜みなとみらい」(神奈川・馬車道)など全国28施設の結婚式場やホテルレストランで〈植物性フォアグラ〉と〈植物性キャビア〉を使用しており、〈植物性トリュフバター〉も採用を決定した。

 総料理長の荒瀬壮男さんは、「すでに12万食で〈植物性フォアグラ〉や〈植物性キャビア〉を提供してきた。来年2月から、〈植物性トリュフバター〉も使用していく」と話す。