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行列スキップできるファストパスサービス開始! 購入者数に応じてパス代上がり収益増も【SuiSui】

2025年5月14日 11:48 am

 行列ができる人気店にとって、優先入店権(ファストパス)で収益をプラスにできることは望ましいものの、従来のサービスでは予約された時間帯に席を確保しておく必要があるため、空席の時間が生じその分がロスとなったり、返金はしないもののお客さんがその時間に来ない可能性があるといった課題もある。

 このような課題を解決するため、ベンチャー企業のSuiSui(スイスイ/栃木・那須塩原、佐藤慶一郎社長)は、日本初(同社調べ)となる店舗に訪れてチケットを買うと、その場で行列をスキップできるファストパスサービス〈SuiSui〉の正式提供を始めた。すでに「矢場とん」や「千房」、「牛かつ もと村」などの一部店舗を含む約50店舗で先行導入されている。

 他社の「ファストパス」サービスは、日時を指定するため予約に近いものだが、〈SuiSui〉は店舗に訪れたお客さんが、店頭にあるQRコードを読み込みチケットを購入すると、次に席が空いた時に優先的に入店できるというもの。ただ、これだけだと、チケットを買った人で別の行列ができ、チケットを買わない人がいつまでも入れないという問題も生じる。

 そこで、ファストパスを購入する人が増えすぎることを防ぐため、人数や金額は店舗により異なるが、例えば1人目は500円、2人目は750円、3人目は1000円といったように、同時に並ぶ人が増えるとチケット料金が上がるダイナミックプライシングを導入。これにより、チケットを購入せずに並んでいるお客さんの不満を抑えるとともに、店側にとっても人数制限をする必要がなく利益を最大化できるようにしたという。チケット代や値上げ幅の設定については、SuiSuiのノウハウをもとに店側と話し合って決定する。

〈SuiSui〉のPOP設置例

 店側は〈SuiSui〉のチケットを購入するためのQRコードのPOPを設置するだけでよく、お客さんはQRコードを読み込み、登録したクレジットカードで人数分の仮チケットを購入。その後、店舗スタッフに提示し指定された待機場所で待っていると、席が空き次第、案内されるという流れとなる。

 導入する際の初期費用や月額費用はかからず、両社でチケット代の半分を得るレベニューシェアとなっている。店側はその50%分からクレジットカードの決済手数料分を引いた金額を得られる。すでに導入している店舗からは「チケット売上だけで月40万円を超え、雨漏りの修繕費にあてられた」「SuiSui経由のお客さんがリピーター化した」などの反応が得られているという。

 USEN(現・U-NEXT HOLDINGS)に新卒で入社し都内で年間1000店舗以上の飲食店を担当した経験などを持つSuiSuiの佐藤慶一郎社長は「飲食店に新たな収益と来店機会を提供し、2025年末までに全国200店舗への導入を目指す」としている。