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「自国と日本の日本食のどちらがおいしい」の問いに外国人観光客の約9割が「日本がおいしい」と回答!【農林中央金庫調べ】

2023年5月29日 10:01 am

 コロナ禍が収束を迎え、日本の食を楽しみに訪れる訪日外国人も増えつつある。農林中央金庫が、日本に滞在したことのあるアメリカ、イギリス、フランス、中国、韓国の男女1200人(男性606人、女性594人)に「自国の日本食と日本で食べた日本食のどちらがおいしいと思ったか」と聞いたところ、「日本で食べた日本食」(59.5%)が半数を超えており、「どちらかというと日本で食べた日本食」(26.7%)を合わせると、「日本がおいしい」と感じる人が86.2%だった。

 次いで「どちらも同じくらい」(9.3%)となり、「どちらかというと自国で食べた日本食」(3.8%)、「自国で食べた日本食」(0.7%)を合わせた「自国派」は4.5%だった。

 国別にみると、「日本がおいしい」とする割合は中国(98.3%)がほぼ100%で、アメリカ(95.0%)、イギリス(93.9%)では9割台、フランス(87.9%)も8割台だった。

 一方、韓国(60.7%)は6割程度と比較的低め。また、「日本で食べた日本食」の割合も韓国(27.7%)は2割台で、他の国の7割前後と比べて大幅に少なくなっている。

■「自国と日本の日本食は違う」という人が9割

 次に、「自国の日本食と、日本で食べた日本食は違ったか」と聞いたところ、「とても違った」(45.8%)、「やや違った」(40.8%)を合わせた「違った」と感じた人は86.7%と、約9割に上った。

 一方、「ほとんど同じだった」(8.3%)、「まったく同じだった」(0.7%)を合わせた「同じだった」(8.9%)は1割未満となっており、日本で食べる日本食はやはりひと味違うようだ。

 国別では、「違った(とても+やや)」の割合は、中国(97.0%)とフランス(92.7%)が特に高い一方で、イギリス(74.0%)と韓国(79.0%)は比較的低め。特に韓国は「とても違った」(15.7%)が極めて少ないのが目を引く。

■滞在時に食べて最もおいしいと感じた日本食は「寿司」

 「滞在時に食べた日本の料理」は、「寿司」(68.3%)が突出して多く、唯一半数を超えている。以下、「天ぷら」(47.2%)、「ステーキ・焼肉」(46.9%)、「ラーメン」(46.3%)、「うどん・そば」(45.8%)の順となった。

 国別では、ほとんどの項目でフランスが高い割合で、中国では総じて低い割合。ちなみに、この後の多くの設問でも、この2国は同様の傾向を示している。

 「滞在時に『初めて』食べた日本の料理」も、「寿司」(26.5%)が最多で、以下「すき焼き」(19.7%)、「天ぷら」(19.6%)、「鍋料理(しゃぶしゃぶ、水炊き、あんこう鍋、ちゃんこなど)」(19.3%)、「ステーキ・焼肉」(18.0%)の順だった。

 「滞在時に食べて最もおいしかった日本の料理」も、「寿司」(19.4%)が最も多い。以下「ステーキ・焼肉」(9.2%)、「すき焼き」(8.0%)、「うなぎ・うな重」(7.4%)、「天ぷら」(6.9%)の順となっている。

 国別でも、やはり「寿司」が最も高い国が多くなっているものの、中国は「寿司」(7.0%)はやや少なく、最も多いのは「うなぎ・うな重」(11.7%)という結果だった。

■フランス人はチャレンジャー?「初めて食べた日本ならではの食材」上位は「松茸」「生魚」、「餅」も

 「『初めて』食べた日本ならではの食材」としては、「松茸」(19.0%)、「生魚」(18.9%)、「わさび」(17.7%)、「納豆」(17.3%)、「魚卵(イクラ、たらこなど)、白子など」(16.3%)、「たけのこ」(15.7%)、「ごぼう」(15.3%)などの食材があげられていた。

 国別にみると、フランスで高い割合となっている項目が多くなっている。一方、韓国では総じて低めで、「あてはまるものはない」(23.0%)の割合が高くなっている。

 「最もおいしかった日本ならではの食材」は、1位の「生魚」(13.9%)でも1割程度とあまり高くなく、以下「松茸」(9.3%)、「魚卵(イクラ、たらこなど)、白子など」(9.3%)、「ウニ、タコなどの魚介類」(9.2%)、「わさび」(8.3%)、「餅」(6.9%)、「ごぼう」(5.8%)などと、好みが分かれる結果となった。

 各国のトップをみても、アメリカ、中国、韓国は「生魚」(順に12.0%、15.3%、16.7%)、イギリスは「松茸」(14.7%)、フランスは「餅」(17.3%)となっている。

■日本にまた行ったら6割は「寿司」!「ステーキ・焼肉」も根強い人気

 最後に、「また日本に行ったら何が食べたいか」では、「寿司」(58.7%)が最も多く、以下「ステーキ・焼肉」(39.8%)、「天ぷら」(37.5%)、「鍋料理(しゃぶしゃぶ、水炊き、あんこう鍋、ちゃんこなど)」(37.2%)、「ラーメン」(36.4%)、「すき焼き」(33.0%)、「刺身」(32.0%)、「うどん・そば」(31.1%)、「うなぎ・うな重」(30.5%)の順となった。

 国別では、いずれの国でも「寿司」が最も多くなっているものの、アメリカ、中国では次いで「ステーキ・焼肉」(順に49.0%、38.3%)、イギリスでは「天ぷら」と「鍋料理(しゃぶしゃぶ、水炊き、あんこう鍋、ちゃんこなど)」(ともに42.0%)、フランスでは「ラーメン」と「焼き鳥」(ともに43.9%)、韓国では「ラーメン」(43.8%)が、それぞれ2位にあげられた。

 この調査は、2023年3月20~27日に実施された。国別の内訳はアメリカ300人(男性159人・女性141人)、イギリス150人(男性88人・女性62人)、フランス150人(男性87人・女性63人)、中国300人(男性91人・女性209人)、韓国300人(男性181人・女性119人)。