「マッコリ」と聞くと、「年配男性」「地味」「安い」「ダサい」というイメージがある。一方、日本では若い女性を中心に空前の韓流ブーム。そして本国の韓国では、なんと若年層にマッコリの大ブームが来ているという。
この波に乗れないだろうか──。そんな想いで、5年ぶりにマッコリの新製品を発売するのが眞露だ。
眞露はマッコリの新ブランド「JINRO ユメマッコ」を立ち上げ、24年4月9日に〈JINRO ユメマッコ〉アルコール度数5%・400mlペットボトル・希望小売価格税別385円と〈JINRO ユメマッコ ピーチ〉同の2品を全国発売する。
また同年1月16日から、通販サイトAmazonと東京・新大久保の一部飲食店および量販店で先行販売する。
「JINRO ユメマッコ」はプレーンとピーチの2つのフレーバーで、原料に米のみを使用することで、米本来の自然な甘味と豊かな風味を実現した。アルコール度数は通常のマッコリより1%低い5%とし、飲み切りやすい400mlサイズにした。
またラベルにはハングルで「夢」の文字をモチーフにしたロゴマークを採用し、カジュアルなデザインに仕上げた。
■韓国Z世代にブームの「Hip Tradition」で変化したマッコリ
同社によると、日本におけるマッコリ市場や飲食店での飲用状況は40~50代が主流の一方、韓国では20~30代を中心にブームとなっている。
15年の酒税法緩和や17年のEC販売解禁などが追い風になったことに加え、最新流行に詳しいという意味の「Hip」に伝統を意味する「Tradition」を合成した「Hip Tradition(ヒップトラディション)」が韓国Z世代のトレンドだ。
伝統文化を現代的に新しく再解釈した文化を意味し、数年前から流行っているレトロブームがさらに発展した概念だという。
マッコリもかつての安価な酒というイメージから、Z世代向けにデザインされたパッケージや味のバリエーション、1瓶1万円以上するプレミアムマッコリも出てくるなどヒップトラディションに合わせて変化しており、市場規模の拡大につながっているという。
日本では若者世代に第4次韓流ブームが起こっていることから、市場開拓の余地があると見て今回の新製品を開発したと同社は経緯を説明する。
マーケティング部門マーケティングチーム主任の宮澤拓巳さんは、「そのままにしておくと沈殿して2層に分かれ、そのふわふわとした境目が夢の中にいるようで『ユメマッコ』と名付けた。味わいだけでなく見た目も楽しんでもらいたいと、ラベルの下半分をあえて透明にした」と説明する。
また今後、「ユメマッコ」に新たなフレーバーを追加することも検討しているという。