埼玉県の食材を使用することをコンセプトにしたイタリアンレストラン「ナチュール」や古民家付き農園の運営などを手掛けるcorot(埼玉・所沢、峯岸祐高社長)は、東京の農家と東京の飲食店や小売店の事業者が直接つながるオンライン直売所〈食べるTokyo〉(https://taberu-japan.jp/)のテスト版をリリースした。
同社は2010年の設立以来、複数の地域で地産地消物流や地産地消のコーディネートなどを手掛ける中、「日本の農地や農業従事者が急速に減っていることに愕然とし、何とか出来ないものか」と考え、農業者の手取りを1円でも上げるためには、より多くの売り手と買い手がマッチングできるマーケットとリアルな物流のコーディネートが鍵になると実感。今回のサービス開発に至ったという。
〈食べるTokyo〉は、東京の農家と東京の飲食店・小売店が直接やり取りや売買ができるサイトで、自社便による物流・配送システムを構築し、請求書やクレジットなどの決済機能も充実させた。
生産者にとっては野菜の登録を30秒で完了するシンプルな作りとなっており、近くの集荷場に納品すれば、10年以上飲食店や産地物流を行ってきた専門業者が配送する。これによりこれまで扱いが難しかった野菜や鮮度の高い野菜をスムーズに配送できるようにした。
飲食店は、欲しい野菜をサイト上に登録・発注すると、注文を受けた生産者が野菜を収穫して発送。翌日には配達されるので通常よりも鮮度の良い野菜を仕入れることができるというメリットがある。
登録料などはかからず、生産者は売上の10%を利用料として同社に支払う。飲食店は、野菜の購入金額に配送料として500円が必要となる。最低ロットや最低金額は設けていないが、生産者が最低注文数を設定することはできる仕組みとなっている。
同社は、今回の〈食べるTokyo〉により、「東京の自給率を0%から1%にする」ことを目標に掲げており、「オンラインマーケットの展開とリアルな物流の展開との両軸で進めていくにはエリアを絞ってコミュニティを作りながら進めていくことで、今までにないマーケットを実現できる」としている。