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東名阪の22年度外食回数シェアで居酒屋が3年ぶり1位に! 市場規模は前年度比41.2%増【HPグルメ外食総研調べ】

2023年9月28日 2:05 pm

 リクルートの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が、2022年4月から23年3月までの首都・関西・東海圏の市場規模を調査した22年度外食市場調査によると、「居酒屋」が業態別の延べ外食回数シェアで13.6%と最大となり、3年ぶりに1位に返り咲いた

 一方、コロナ前と比較すると食事主体の業態の外食回数シェアは81.5%まで回復したが、飲酒主体の業態は62.8%にとどまっていることが分かった。同調査は毎月、3圏域の20~69歳の男女約1万人を対象に調査した結果を集計したもの。

 同調査によると、3圏域の食市場規模は前年度比41.2%増(3兆571億円)と推計され、コロナ前の19年度比で78.0%まで回復した。また1カ月あたりの夕食での外食実施率は前年度比10.0ポイント増(64.2%)、外食頻度は同7.5%増(3.70回)、外食単価は同12.7%増(2690円)とそれぞれ増加した。飲酒率は39.5%となり前年度比では9.9ポイント増と伸びたが19年度比では4.8ポイント減だった。一方、予約率は28.7%と前年度比2.6ポイント増で、19年度比でも1.6ポイント増となった。

 同総研の稲垣昌宏上席研究員は「食事主体の業態での飲酒が増え、飲酒主体のシェアが落ちている。居酒屋の市場規模が約3分の2に減少しているが、これは居酒屋系の大手チェーン店が3割ほど店舗を減らしているので、縮小均衡しているのかもしれない」と分析。

 アフターコロナでの対策として「早い時間帯での利用が増えはしご酒は減少する傾向は続くため、営業時間や人員配置の最適化が必要になる。大事な食事会や節約志向で1度の外食を大事にすることなどにより予約率と単価は上昇する傾向が見られるので、高付加価値化と仕入れの強化・最適化も重要な取り組みになる。飲む人と飲まない人が共に楽しむアルコールダイバーシティも浸透してきているので、誰もが楽しめる食の形の模索も始まるだろう」との見方を示した。

ホットペッパーグルメ外食総研・稲垣昌宏上席研究員

 直近の23年4~7月の外食市場規模は、前年同期比で10.9%増、19年同期比で18.9%減となっている。