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ラーメン店の倒産数が過去最多のペースに【東京商工リサーチ調べ】

2023年9月13日 2:05 pm

 東京商工リサーチがまとめた2023年1~8月における「ラーメン店の倒産動向」によると、負債1000万円以上の倒産は前年同期の3.5倍にあたる28件となり、大幅に増えていることがわかった

 東京商工リサーチでは、仮にこのペースが続いた場合は、年間で最多だった13年の42件を超える可能性があると指摘した。これまでのラーメン店の倒産についてはコロナ禍に見舞われた当初の20年、緊急事態宣言が発出されて飲食店全般が休業や時短営業を余儀なくされる環境が響いて1~8月にこれまでの最多となる31件発生していた。

 その後はコロナ対策の一環での資金繰り支援策の活用なども広がったことで倒産ラッシュの動きが落ち着き、20年は年間38件でまとまっていた。21年についてはコロナ関連の支援策が下支えとなるなかで1~8月で8件、年間で最小の21 件にとどまっていた。

 しかし、23年はコロナ禍が落ち着いてきているなかでコロナ関連の支援については縮小・終了したことに加え、地政学リスクの高まりや円安などを背景にした各種コスト高から、飲食業の経営環境が変化。食材価格や光熱費といった店舗運営コストが増大するとともに、人件費の上昇も深刻さを増し、ラーメン店の経営も打撃を受けた。

 1~8月の倒産件数28件のうち、資本金が1000万円未満の企業が26件。従業員5人未満の企業が25件となり、小規模・零細規模のラーメン店が耐えきれない現状が浮き彫りになった。都道府県別では広島が4件と最多で、以下、大阪と福岡が各3件、東京と京都と島根と山口が各2件の順となり、西日本を中心に倒産が発生している。

 このほか、同社がまとめた8月の全国企業倒産によると、負債額1000万円以上の倒産件数は前年同月比54.4%増の760件で、負債総額は同2.7%減の1083億7700万円だった。件数は17カ月連続で増加しており、増加率は前月の53.4%を上回ってコロナ禍以降最大となった。

 産業別では、飲食業の倒産は同約2.1倍の74件に急増して全体の9.7%を占め、負債総額は同約2.6倍の58億100万円に及んだ。コロナ関連支援の縮小・終了からコスト高が追い打ちとなり、ラーメン店だけでなく飲食業全般で厳しい経営環境が続いた。