さまざまな店舗のスタンプカードやクーポンを一つにまとめて管理できるデジタルスタンプカードアプリ「Stamps(スタンプス)」に、スタンプだけでなく店舗のさまざまな情報にアクセスできる店舗専用アプリ機能が追加された。
顧客台帳管理や販促を自動で運用できるデジタルスタンプカード「Stamps」を展開する22Inc.(ニーニーインク、東京・中目黒、網永穣社長)は、「Stamps」の機能や新サービスを追加することで、顧客満足度と従業員満足度を向上させるため、従来のサービスを統合したブランドとして「SHOP FORCE(ショップフォース)」(https://shopforce.jp/)を立ち上げた。そのための第1弾として、飲食店のスタンプカード会員が店舗情報を見たり予約するために別のアプリやブラウザを立ち上げる必要なく、「Stamps」のアプリ内に、店舗がホームページで発信しているような情報をまとめた店舗専用のアプリ内アプリサービスとして、「ミニアプリ」を追加した。
「Stamps」は、店舗で個人情報を記入したりスマホに情報を打ち込まなくても、SuicaなどのICカードを読み取り機にタッチしたり、レシートや食券に書かれたQRコードをスマホで読み込むだけで会員登録できる簡便さと、さまざまな店舗のスタンプカードを一つにまとめられる利便性により、180万以上のユーザーを獲得している。
「Stamps」の最大の売りは、スタンプカードとともにCRM(顧客関係管理)の充実だ。スタンプ発行による再来店の動機付けに加えて、アプリを利用した顧客情報を自動的にデータベース化し、顧客台帳を自動で生成・更新。アンケートの回答内容も自動入力される。また、東芝テック製などの一部のPOSや券売機とデータ連携しているため、予約台帳サービスではわからない、個々人の注文情報と紐づけられたデータを得られる点が大きなメリットとして評価されている。
また管理画面には、顧客データが自動で見やすくグラフ化される。例えば、累計会員数や年代、性別などの属性別、時系列での利用者の動向、再来店率、常連の休眠率などさまざまなデータをわかりやすく表示。店舗の会員状況が一目でわかり、次にどのような対策を打てばいいかの参考にできる。
このほかクーポンの配信では、来店回数や最終利用からの日数、誕生日などの条件を設定することができるため、クーポンのあるなしにかかわらず来店する常連客にはクーポンを発行しないことで無駄な割引を減らし、費用対効果の高いクーポン発行を自動で行なう。
今回立ち上げた「SHOP FORCE」では、「Stamps」で提供しているサービスに、新たに「Stamps」の画面内に店舗独自のページを作成し、自社アプリのように使える「ミニアプリ」と、店舗オリジナルのアプリを開発して提供する「オリジナルアプリ」の2種類のサービスを追加した。
「ミニアプリ」では、「Stamps」のホーム画面に会員となっている店舗のアイコンを表示。店舗ページに進むとこれまで獲得したスタンプ数だけでなく、アンケート、予約ページ、採用ページ、ブログ・SNS、店舗情報などに加えて、ゲームやオンラインストアなど店舗が用意したさまざまなリンクにつながるアイコンを自由に設定して表示できる。
ほかにも、ホーム画面に現在地に近い場所でクーポンを使える店舗を地図上に表示する機能も新たに追加。「Stamps」を導入しているが自店の会員になっていないユーザーの新規来客を促進するとともに、クーポン利用時に自店の会員に登録することになるため囲い込みにもつながる。
「オリジナルアプリ」は「ミニアプリ」と機能は同じながら、自社専用のアプリを作りたいという要望に応えたもの。別途インストールする必要があるアプリとなるため、「Stamps」からインストールを誘導するとともに、データは両方で連携する。
網永社長は「会員登録する手間や不便を極力減らしたことが利用者に受け入れられダウンロード数は伸びている。店舗スタッフにとっても、顧客管理の負担が軽くなり、注文情報などと連携した顧客管理ができるのも大きな強みだ。色々なアプリをダウンロードすることにユーザーは抵抗を感じ始めているため、一つのアプリ内でさまざまなブランドのアプリを利用できることへの需要は今後高まる」と予想する。
利用料金は、基本料が月額税別5万円~で、初期設定費用が必要となる。ICカードをタッチするだけで会員登録できる機器を導入する場合は、タッチ機器代金も別途かかる。「オリジナルアプリ」に関しては個別対応する。