当社は東京・神田にあり、帰りがけに軽く一杯やりたくなるような居酒屋が多い。しかし少し前はフリで行ってもほぼ入店できたのだが、最近は週末ともなると、どの店も「あいにく満席で……」と断られるケースが増えてきたような気がする。
そう感じているのは記者だけでもなかったようだ。リクルートの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が10月2~12日、首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女9808人に、コロナ禍後(2023年5 月以降)の夕方以降の食事について、満席などで飲食店に入れなかった経験を尋ねたところ、「そういう経験がある」割合は27.9%だった。
性年代別では、他の性年代に比べて、「そういう経験がある」割合が最も高いのは20代女性(39.0%)である一方、「そういう経験はない」割合が最も高いのは60代女性(63.6%)であった。
また、男女ともおおむね年代が若くなるほど、「そういう経験がある」の割合が高い傾向がみられる。
またコロナ禍後の夕方以降の飲食店について、混んでいる印象を尋ねたところ、「そういう印象がある」は過半数の51.9%で、「そういう印象はない」の20.5%を大きく上回った。
性年代別では、「そういう印象がある」の割合は、他の性年代に比べて、30代女性が最も高く(58.2%)、20代男性が最も低い(45.1%)という結果であった。
■夕方以降の外食を予約する割合は増加傾向、8割超がインターネット経由
夕方以降の外食時に予約をする割合を、コロナ禍前(2017年3月~2020年2月)、コロナ禍中(2020年3月~2023年4月)、コロナ禍後(2023年5月以降)の時期別に尋ねた。
コロナ禍後に予約する割合が、「コロナ禍前より増えた」人は14.5%、「コロナ禍中より増えた」人は18.8%に達し、それぞれ「コロナ禍前より減った」の10.1%、「コロナ禍中より減った」の6.3%より高い(「増えた-減った」の差は順に4.4ポイント、12.5ポイント)。
つまり夕方以降の外食時に予約をする割合が、コロナ禍後は、以前に比べて増加した人が多いことがわかった。
性年代別では、他の性年代に比べ20代女性は、夕方以降の外食時に予約する割合が、コロナ禍後はコロナ禍前・中と比べて増加した人が多い(「増えた-減った」の差は各15.0ポイント、15.6ポイント)。
同社は、「若い女性の多くが利用するSNSやアプリで予約可能な飲食店が増えていることも、事前予約の浸透に一役買っている可能性があるかもしれない」と推測する。
それを裏付けるように、コロナ禍後(2023年5月以降)の夕方以降の外食の予約方法を尋ねたところ、回答割合が最も高いのは「インターネット予約」で82.0%だった。予約をしたことがある人の8割以上が経験しており、主流の予約方法として浸透している。次いで「電話予約」が48.0%、3番目に「SNSを使った予約」が5.8%となっている。
性年代別では他の性年代に比べ、20代女性では「インターネット予約」の利用者が91.3%と特に高く、男女の50・60代では、「電話予約」の利用者は5割以上に達しており、まだ一定の支持があるようだ。