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日本初! オレイン酸比率や小ザシの入りを認定基準とする銘柄牛「常陸牛 煌」を発表【茨城県】

2023年8月29日 2:32 pm

 茨城県と茨城県常陸牛振興協会は29日、東京・八芳園で銘柄牛の「常陸牛」の中から、新たに赤身に入る網目状の脂肪の細かさを示す小ザシ指数やオレイン酸比率などの基準を満たしたものを「常陸牛 煌(かがやき)」と認定し、高級飲食店や百貨店、外商などで販売することを発表した。小ザシを基準としたブランド牛の認定は日本初となる。

「常陸牛 煌」

 常陸牛は「指定生産者が茨城県内で最も長く飼育した黒毛和牛の内、食肉取引規格A・Bの4・5等級のもの」となっており、年間販売頭数は1万頭を超え、輸出量も増えている。しかし近年、銘柄牛でA4・5等級の割合が増えていることから、よりおいしい銘柄牛としての地位を確立するため、新たな基準を設けた。

 「常陸牛 煌」は、①茨城生まれの子牛で県内生産者が育成する②月齢30カ月以上③A等級④オレイン酸比率が55%以上⑤小ザシ指数110以上――の5つを認定基準とする。大井川和彦茨城県知事は「霜降りが増える中で脂の多さを好まない消費者の声も多く聞く。そこで月齢を一般的な28カ月から30カ月にすることで、赤身の旨みも感じられる美しいサシの入ったグレードの高い牛肉を厳選し、厳しい産地間競争に打ち勝つ」と語った。

記者発表会に登壇した大井川和彦茨城県知事(右)と女優の筧美和子さん(中央)、お笑い芸人の小島よしおさん

 研究用として小ザシの測定器を独自に開発し、今回の基準作りにも協力した農学博士でもある帯広畜産大学の口田圭吾教授は「融点が13度と低いオレイン酸が多いとうまみや香りが高くなる。また、小ザシが多いと滑らかな食感で脂もさっぱりとした味わいになる。小ザシは遺伝が7割なので、今後、小ザシの牛の掛け合わせを増やしていくことになるだろう」と説明した。

 県によると現在、約1万頭の常陸牛のうち茨城生まれの子牛は約3割で、「常陸牛 煌」と認定されるのは150~200頭だという。価格については未定ながら、9月から都内3店舗、茨城県内4店舗の飲食店で「常陸牛 煌」を使ったメニューを提供することとなっている。