三井不動産は4月19日、ミシュランガイドに掲載されている有名店などと協力してレシピを基に手作りした冷凍食品を販売する新事業「mitaseru」を立ち上げ、本格的なサービス提供を始めた。
同事業は、飲食店がレシピを提供すると「mitaseru」からのれん代が支払われ、食材調達や調理、加工、販売などは「mitaseru」がすべて請け負う仕組み。一般的な監修商品とは異なり、飲食店と綿密なやり取りをしながら食材などにもこだわり、実際に店舗で提供されている料理と同等のクオリティと店側から認められた冷凍食品のみを販売する。
調理は有名店での経験もある専用シェフが担い、出汁の取り方や火入れの仕方などのレシピを手作りで忠実に再現。複数メーカーの急速凍結機を用意し、それぞれの料理に合った凍結機で瞬間冷凍する。これにより購入者は湯煎か自然解凍するだけで店の味を楽しめるようにした。
今回の事業は三井不動産グループの新規事業提案制度から生まれたもの。飲食店が売上を上げたいと思っても人手不足や席数による上限、国内市場の縮小などの課題があるため、店の味をそのまま家庭に提供することで事業拡大と認知度向上を図れるサービスとして開発した。
4月19日時点で予約困難店やミシュランガイド掲載店など21店舗が参加し、店舗で出している料理から裏メニュー、このために開発した新メニューなど30品を揃える。価格は1500円前後を中心に800~5000円までとなっている。
4月19日に開催した記者会見には、レシピ提供した「ファイヤーホール4000」(中華)の菰田欣也氏、「La Paix」(フレンチ)の松本一平氏、「日本橋ゆかり」(和食)の野永喜三夫氏が登壇。「材料や原価で妥協しつつも納得のいくクオリティになっている」と太鼓判を押した。
現在は専用オンラインサイト(https://mitaseru.com/)のみで販売しているが、三井不動産グループの商業施設などでの販売も計画している。今後、商品化を望む飲食店からの問い合わせも受け付けるという。