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「お米メニューアイデアグランプリ」受賞作決定! 商品化に取り組む企業の募集も開始【ぐるなび】

2022年9月30日 3:19 pm

 ぐるなびは9月29日、農林水産省による「米を利用した新たな商品開発等の取組の支援」事業の一環として7月19日から募集した「お米メニューアイデアグランプリ」の入賞4作品と特別審査員賞1作品、ノミネート20作品を発表した。また、同日からこれらの作品の商品化に取り組む企業・団体の募集も始めた。

 同グランプリは米の需要拡大を目的に実施されたもので、全国の料理人や料理研究家、調理学校の学生などから159点の応募があった。審査員は「料理王国」元発行人の中沢美佐子さん、月刊「食品 新製品トレンド」編集長の武藤 麻実子さん、山下食糧株式会社代表取締役の山下治男さんの3人が務め、特別審査員として元乃木坂46でタレントの松村沙友理さんが審査。その結果、計24作品(特別審査員賞はノミネートを兼ねる)の受賞作を選出し、入賞者に賞金10万円、特別審査員賞の受賞者に特別ブレンド米1年分、ノミネート作品に5000円相当のギフトカードが贈られた。

 審査員の中沢さんは「どういう風に新しいメニューを組み立てるのか楽しみでもあり不安でもあったが、新しい感覚の作品が多く、若い人たちのアイデアが新鮮だった」と感想を述べた。

 

入賞、特別審査員賞の受賞者と審査員

入賞した4作品は以下の通り。

N’s kitchen(千葉県)主宰の小川典子さん
「新食感なティラミス」
<作品概要>
ご飯とマシュマロを合わせてレンジで加熱し、ベースにほろ苦いコーヒーシロップを染み込ませたティラミス。マシュマロと合わせたことで、ご飯のもちもちがより感じられ、チーズクリームとよく合う新食感なティラミスになった。
<審査員講評>
認知度が高く定番スイーツとしての地位を確立しているティラミスに対してお米を組み込むトレンドを意識した創造性や、マシュマロとお米でのもちもち食感を生み出す熱意が素晴らしいです。お米を使用することでマスカルポーネなど乳製品、発酵食品との相性が素晴らしいと感じましたので、今後の広がりとして、乳製品を使用する洋菓子との新しいシナジーパターンに繋がると感じ、洋菓子シーンへの米の使用拡充が大変期待できます。(山下治男 審査員)

神村学園高等部調理科(鹿児島県)の諏訪葵さん
「鹿児島あきほなみのあんこを使ったどら焼き」
<作品概要>
鹿児島県産のお米「あきほまれ」をあんこにしたどら焼き。粒が大きくて粘りが強く、さっぱりした味の中にモチモチ感があるのが特徴。冷えても粘り気のある食感が残る。茹でた栗とともに焼いた生地でサンドした。
<審査員講評>
お米で餡を作り、通常の小豆餡との食感の違いを見出している点が非常に面白いと思いました。また「あきほなみ」の品種特徴として、冷えても粘りがあるということを理解して餡に仕立ててみたというのもよい発想でしょう。また米粉を使ったどら焼きの皮ももちもちしておいしそうで、商品化もしやすいと感じました。(武藤麻実子 審査員)

「MAISON INCO(メゾン インコ)」(大阪府)の繩手裕貴さん
「チキンライスのキッシュ」
<作品概要>
少し硬めに炊いたお米をキッシュに入れてオーブンで焼いても、食感はサクサクした仕上がりに。グルテンフリーなので小麦アレルギーの人でも食べられる。日本の米食文化とフランスの郷土料理が融合することで、お米の新たな可能性が見える。
<審査員講評>
子供の大好きなチキンライスをキッシュの具とし、パイ生地も米粉100%にすることで小麦アレルギー対応はもちろん、米の消費量も上がるレシピだと思います。また、ヨーロッパでは米は野菜という考え方があるので、キッシュの具にチキンライスというのは外国人にも抵抗感なく受けいれられるとも思いました。(中沢美佐子 審査員)

大和高田市立高田商業高等学校 まち部。(奈良県/代表:立木綾音さん、仁科拓磨さん)
「お米のフラッペ(古代フラッペ)」
<作品概要>
米粉の入ったライスミルクを使ったフラッペに、豆乳で使ったホイップを乗せて、奈良県のイチゴ「あすかルビー」を混ぜかけた。奈良県の明日香村で栽培された赤米や黒米の古代米を使うと、これまでにない色あいのフラッペに。地元奈良の食材を活かしたドリンク。
<審査員講評>
古代米で自然な色味を付けたことはポイントが高かったです。地域食材の活用・伝統食の継承・健康食(現代人に不足しがちな栄養素を多く含む健康食材)としてなど、PRポイントがいっぱいの商品だと思います。実際に商品化する際には、ターゲットを女性に絞ると面白そうです。(中沢美佐子 審査員)

特別審査員賞の1作品

とちぎ和牛 渡邊ファーム(栃木県)の渡邊智さん
「イタリ寿司(稲荷寿司)」
<作品概要>
シーフードやポルチーニ茸を具材にした炊き込みご飯に、バルサミコ酢やパルメザンチーズを混ぜ合わせ、トマトのうまみ成分をしっかりと染み込ませた油揚げで包んだ稲荷寿司。手軽に食べられておかずにもなる。
<特別審査員講評>
私もお稲荷さんが大好きなのですが、この発想は斬新で食べてみたいなぁと思いました!おにぎりやお弁当に入れたりとどこでも食べられそうな手軽さもいいなぁと思いました!大人から子供まで好きそうな味でトマトジュースで煮詰められた油揚げの味がとっても気になります。(松村沙友理 特別審査員)

ノミネート20作品は以下の通り。

 ぐるなびは農水省から委託され、これらの料理またはノミネート作品の商品化・事業化を支援する企業・団体を募り、採択された企業・団体には100万~800万円の補助金が交付される。29日から特設サイト(https://kome-kaihatsu.jp/)で募集を始め、10月20日まで受け付ける。