コロナ禍により人件費の削減と非接触がより求められるようになる中、ビールやハイボール、サワーなど複数のアルコールドリンクを自動で提供するロボットの開発が進んでいる。
調理ロボットや食器自動仕分けロボットなどの製造・販売などを手掛けるTechMagic(東京・青海、白木裕士社長)は、飲食店向けにアルコールドリンクを自動で作って提供するドリンクロボットの実証実験を始め、今年中に実店舗への導入を予定している。
同社が2020年から研究を始めたドリンクロボットは、アルコールドリンクの提供に必要な最小単位のロボットユニットで設計されており、それらを組み合わせることでさまざまな店舗で導入できる仕様にした。
これまでビールやウイスキー、氷などの専用ディスペンサーはあるものの、複数のドリンクメニューを1台で提供する仕組みがなかったことから開発に着手。ロボットアームが各ディスペンサーから必要材料を自動で抽出し、それらを組み合わせることで複数のドリンク提供を可能とした。取り扱うドリンクのメニュー数は要望に合わせて調整できる。
また、液体が目一杯入ったグラスを移動させると液体がこぼれてしまうため、移動中のグラスを傾けることで液体がこぼれないようにすることに成功。1杯あたり約30秒での提供を実現した。そのため専用グラスを導入する必要があるものの、ドリンクを注ぐ直前にグラスの急速冷却を行い、キンキンに冷えた状態で提供できるようにした。
タテ2m×ヨコ2m×高さ1.8mのスペースと200V3相電源、100V単相電源、給排水の接続があれば導入でき、メンテナンスも従来のディスペンサーと同様で済むという。料金などについては要相談となっている。