リクルートの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は7月1日~12日、1万7人(女性49.6%、男性50.4%)を対象に、首都圏・関西圏・東海圏の外食店のデリバリー・テイクアウトの取り組みに関する消費者調査を実施した。
コロナ禍で外食店からのデリバリー・テイクアウトの利用が普及したが、どのような外食店が利用されているかを調査したところ、「利用したことがあった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用者・計は35.4%、「利用したことがなかった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用者・計は32.5%で、いずれも同程度利用されていることが判明した。
性年代別では、20・30代女性で「利用したことがなかった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用者が多く、さらに内訳をみると、「知らなかった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用者が目立った。
次に、「知らなかった」外食店からデリバリー・テイクアウトを利用した人に、その後の店内飲食での利用意向を聞いた。「店内飲食でも利用したいと思った」人は72.5%で「利用したいとは思わなかった」人(27.5%)を大きく上回った。
すでに「実際に利用した」人も17.4%おり、デリバリーやテイクアウトへの取り組みは、店内飲食への呼び水として有効であるといえる。
性年代別では、20~40代男性で「店内飲食でも利用したいと思った」人の割合が高く78%程度。20代男性ですでに「実際に利用した」人の割合が高く、28.2%となっている。
「定期的に利用していた」外食店からデリバリー・テイクアウトを利用した人のうち、その後にそのお店での「店内飲食での利用意向が高まった」人は59.6%で、すでに「実際に利用した」人は14.5%だった。
性年代別では、20代男性で「店内飲食の利用意向が高まった」人が73.0%と、他の性年代に比べて最も高く、「知らなかった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用後の店内飲食での利用意向についての回答結果同様、比較的若い世代で「店内飲食での利用意向が高まった」人が多い。
デリバリーやテイクアウトへの取り組みは、新規顧客獲得とリピーターの利用促進の両方の効果が期待できそうだ。
「利用したことがなかった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用後に、「店内飲食でも利用したいと思った」理由を聞いた。
最多は「調理法や味つけがよかった」で58.8%、次いで「価格がお手頃だった」が54.3%と、トップ2の回答はデリバリー・テイクアウトした料理に起因している。次いで、デリバリー・テイクアウトした料理に起因しない理由である「他にも食べてみたいメニューがある」(42.8%)、「お店で出来立てのメニューを食べたい」(33.7%)が上位に入っている。
性年代別では、30・40代女性で「調理法や味つけがよかった」が高く、30代以上の女性で「お店で出来立てのメニューを食べたい」も高かった。女性は男性よりも「味」や「出来立て」へのこだわりが強いのかもしれない。
最後に、「利用したことがなかった」外食店からのデリバリー・テイクアウト利用後に、「店内飲食でも利用したいと思わなかった」理由を聞いた。
トップ3は「割高だった」(35.8%)、「コロナ禍のうちは店内飲食を避けたい」(32.2%)、「店内飲食するなら他にもっと行きたいお店がある」(28.3%)となった。
性年代別は、サンプル数が少ないため参考程度であるが、40・50代男性で「割高だった」、50・60代男性で「コロナ禍のうちは店内飲食を避けたい」がそれぞれ目立った。