世界各国のさまざまなワインが手に入る日本でも、スイスワインは酒販店やレストランでもなかなか目にすることはない。なぜなら、国民1人あたりの年間ワイン消費量が世界5位のスイスでは、生産したワインのほとんどが国内で消費され、海外への輸出量は生産量の0.7%程度で日本ではほぼ流通していないためだ。
そこで、写真映像関連製品の輸出入などを手掛けるアガイ商事(東京・池袋、石木勇社長)が、スイスに本社のあるプロ用撮影機材を取り扱うブロンカラーの日本総代理店として30年取引している中で、ワイン愛好家から相談を受けたことからスイスワインを取り扱う事業を始め、専用サイト(https://www.swisswine-shop.com/)で紹介している。
事業を始めるにあたり、ワイナリー探しでブロンカラーの社長から同氏が長年愛飲している地元で有名な家族経営の小さなワイナリー「gschwind ワイナリー」を紹介してもらい、同ワイナリーにとって海外輸出は初めてとのことだったが取引を承諾してもらえたという。その後、2000年前からワインを作り続けている世界文化遺産のラヴォー地区にあるワイナリー「ドメーヌ パショー」のワインも輸入・販売できるようになった。
1番人気の赤ワイン〈シュタイシュライファー〉(参考価格:税込7150円)は、無農薬の有機ワインでマレシャルフォシュという珍しい品種のぶどうを100%使用。紫がかった深みあるガーネット色ながら透明度は残し、複雑で野性味ある香りが楽しめる。
白ワインでのオススメだという〈クレ・ド・プラン〉(同1万450円)は、ラヴォー地区LUTRYにあるレマン湖に面した畑で作られた希少品。希少で高級なラヴォー地区のシャスラー種100%で作られたフレッシュなミネラルテイストで、生産量も僅かなところをぶどう畑の一部を日本向けに契約し、年間200本程のみ輸入できるようにしたもの。3つの太陽(日光、湖面反射、地中に埋まった石垣の輻射熱)が夜間の温度低下を防ぎ、上品な甘みと余韻が続く高級ワインとして、ワイン通から注目を集めているという。
業務用も取り扱っているが、輸入量が少ないため大量に揃えることは難しいという。