多店舗展開している企業にとって、Googleマイビジネスの店舗情報の更新や口コミへの返信などは店舗ごとで対応している場合、同じブランドであっても店舗によって差が出る場合がある。またGoogleマイビジネスの課題として、一部で店舗情報を第三者に勝手に改ざんされて損害を被るなどの悪質な事例も現れ始めている。
そこで、MEOコンサル事業を手掛けるLeretto(東京・駒澤大学、秋山祐太朗・辰巳衛共同代表)は、20店舗以上展開している企業を対象に、Googleマイビジネスの店舗アカウントを一元管理するとともに、店舗情報の改ざんを防げるクラウドサービス「Canly(カンリー)」(https://jp.can-ly.com/)を開発し、提供を始めた。すでに叙々苑やスパイスワークスホールディングスで導入が決まっている。
これまで店舗ごとに運用していたGoogleマイビジネスのアカウントを一括管理することで運用コストを大幅に削減するとともに、新型コロナへの対応などで営業時間が変更になった場合やテイクアウトを開始した時、写真やロゴを更新した時など、本部で一括変更することで迅速に対応でき、変更漏れもなくなる。
口コミへの返信も管理画面から一括で返信できる。その際、口コミを受けた店舗の担当者でなければ対応できない場合があるものの、そのまま任せるとトラブルになったりブランド価値を損ねることがあるため、担当者が書いた内容を本部でチェックしてから返信することにも対応する。
また、閲覧数や検索数、アクティビティなどの全店舗分のデータを集められるので、ランキングにしたり、エリア別や業態別のグループ分析などに活用して、課題の把握や予算配分、出店計画などに役立てることも可能だ。
誰でもが簡単に使えることを目指し、デザインはGoogleアナリティクスのような、わかりやすいグラフや表、図で表示。専門知識がなくても何が表示されているかがすぐに分かるように、現在表示している項目の説明も入れるなど、細部にまでこだわった。
セキュリティ面についても、住所や電話番号、店舗名などの基本情報を第三者が改ざんできないように自動でブロックできる機能を搭載。フェイスブックとも連携し、公式ホームページの店舗情報も一元管理できる。さらに、これまで累計で2200店舗以上のMEOコンサルティングしてきたノウハウを基に、上位に表示されるようにするなどのサポートも無料で提供する。
辰巳衛共同代表は「Canly」について、「これまでMEO対策を一手に引き受けていたが、料金がかさむため、安価に導入できるとともに、自社でMEO対策のノウハウを蓄積できるシステムを作った。価格は競合他社に比べて3割ほど安く設定する予定だ。年内に1万店舗での導入を目指す」と話す。「Canly」は多店舗展開している企業向けのため、数店舗程度までの飲食店には、従来の月額3万円で利用できる「MEO クラウド」(https://meocloud.jp/)を勧め、個店から大企業向けまでのラインナップを揃えた。同社は7月27日、「富士そば」を展開する丹有樹社長や著名な個人投資家などから6600万円を調達した。