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豊洲など大都市市場に集まった国内外の水産物を地方市場でも仕入れ可能に!【ウーオ】

2024年4月15日 12:24 pm

 「新しい販売先を開拓したい」という漁師や仲買業者と、「鮮度が高いおいしい魚を手に入れたい」という飲食店や小売店を繋ぎ、全国の水産市場から水産物を仕入れられるプラットフォームサービス〈UUUO〉https://app.uuuo.jp/を運営するウーオ(広島・大手町、板倉 一智社長)は、業界最大手を含む荷受会社(水産業流通の元卸)5社と新たに提携し、東京・豊洲など都市部の市場に集中する魚介類を全国に配送する仕組みを整え、地方の飲食店が豊洲などに集まっている国内外の水産物を購入できるようにした。

〈UUUO〉アプリのサンプル画面

 水産物市場では、各市場での水産物の市場便の可視化が遅れており、例えば豊洲から地方の市場に送る仕組みも十分に整ってはおらず、特に海がない県などでは魚種の選択肢が狭く、量も少ないという課題があったという。売り手側にとっても、県外の飲食店などにリーチする方法が少なく、その結果、売れずに廃棄することにもつながっていた。また、物流の24年問題により、これまで東北の漁港から名古屋まで配送していた魚介類を豊洲までに短縮するなど、地方市場への流通が減り、大都市の市場により集中するという事象も起き始めているという。

 そこで同社は今回、荷受会社と提携することで、どの商品をどの市場便を使って飲食店などに届けるかといった最適な物流網の仕組みを構築。これまで〈UUUO〉で提供していた産地からの直送便に加えて、豊洲などの都市の市場に集まった魚を市場便を通すことで離島などを除き1~2日で最寄りの市場に届けることを可能にし、仕入れの選択肢を増やした

 これにより、地方の飲食店でも豊洲などの大きな市場でしか手に入らなかった国内外のさまざまな魚種を仕入れることができ、市場便を活用することで配送料も抑えられるようにした。

 同社専務取締役の万力悠人さんは「全国の市場の水産物が豊洲や大阪などの都市部の市場に集中する『一極集中問題』により、都市部の市場では供給過多となる一方、地方の市場では供給不足になる現象が起きている。また、各市場でどのような魚介類を仕入れられるかが可視化されておらず流通もクローズドなので、付き合いのある顧客以外は購入できないといった状況になっている。これを、当社のプラットフォームを活用して購入と流通を見える化することで、年間漁獲廃棄量の削減に一定の効果を期待できる」と説明。今回の提携により、〈UUUO〉上で購入可能な水産物の量は約2倍に増え、1日あたりの最大出品量は約50トン(1万ケース)になったという。

 〈UUUO〉で仕入れる飲食店などは、商品代金に5~10%の手数料と送料をクレジットカードまたはNP後払いで支払うと、最寄りの市場に商品が配送されるので、市場に取りに行くか仲卸に配達してもらうことで新鮮な水産物を仕入れられる。対応していれば宅配便での受け取りも選べる。同社はこれを機に、「魚のムダ0プロジェクト」を発足し、流通の最適化をさらに推進するとしている。