ホテルや旅館などの住み込み仕事に特化した求人情報サービス〈リゾートバイト.com〉を運営するグッドマンサービス（東京・神田、月花拓美社長）は、2023年12月に飲食店やホテルなどの施設向けの調理師求人に特化した〈調理師求人.com〉（https://chorishikyujin.com/）を開設し、人手不足が深刻化する中で利用者を増やし、注目を集めつつある。
飲食店やホテルなどの調理の世界では人手不足が深刻化しているものの、調理師の転職は知人からの紹介や、地域に根差した調理師会や母校の専門学校で求人を探す転職活動が主流になっており、全国の調理師求人情報にアクセスすることは難しい。また、求人募集で雇うことができても短期間で辞めるなど、うまくいかない事例が多々起きている。
そこで、同社は神奈川・湯河原のホテルなどで和食の料理人として10年以上働いた経験がある前原昇吾氏が加わったことから、その知見を活かして人材コーディネーターとして店舗・施設側と求職者側の要望をしっかり聞いてマッチングする求人・求職サービスを立ち上げた。これまでに約200件のマッチングが決まっており、ミスマッチは１件もないという。
コーディネーターを務める前原昇吾さん
前原さんは「利用者は、スーシェフとして技術のある人を求める店から、技術はなくてもやる気があればいいという店までさまざま。求職者も、自分の技術に見合った条件の働き口を探している人や、これから料理人としての技術を磨きたいという人もいる。求人広告で応募できてもすぐに辞められて、広告費が無駄になることも多い業界であり、そのようなミスがないようマッチングするために徹底したヒアリングを行っており、料理人としてこの業界の仕組みを知っていることが大きく役立っている」と話す。
同社では「料理人は職人肌の人が多く、料理人でありながら営業やコーディネーターをできる人は珍しい」と前原さんの仕事ぶりを評価している。現在、ホテルや高級レストラン、居酒屋など同サービスを利用している業態はさまざまで、中には行列店や有名店もあり、求職者も20～60代と幅広い。
同サービスを利用する際には、登録や求人募集の掲載料は無料で、派遣として契約する試用期間を設けて、その後に社員契約する紹介予定派遣プランと、最初から社員として契約するプランの２つを用意している。
利用料金は、就業が始まった後に請求し、社員契約の場合は最大で年収の20％、派遣契約の場合は時給の20～30％を手数料として支払う仕組みとなっている。そして、１カ月以内に辞めた場合は100％、２カ月以内の場合は50％、３カ月以内の場合は20％を返金する。この仕組みにより、繁忙期だけ人手が欲しいというスキー場などのリゾート地でも、料理人を募集できるようにした。
同社はリゾート地向け求人サイトも持っているため、その中で調理に興味をもった人が〈調理師求人.com〉に登録する事例や、調理師免許取得に必要な現場経験を積むために利用する人も増えているという。
前原さんは「月間150万PV、会員数18万人の求人サイト運営のノウハウを持ち、正社員と派遣の両方提供できるのが当社の強み。リゾート地は短期の派遣、レストランは中堅や料理長、低単価の店は未経験でもいいというのがおおまかなイメージだ。特に好条件で募集しても、求職者にその情報が届かず求人できていない店舗や施設も多く喜ばれている」と話す。
同社は今後、調理師の経験のあるコーディネーターを増やしサービスの拡充に努めるとしている。
