自社ブランド製品の企画開発・卸を手がけるシロカ(東京・神保町、金井まり社長)は10月6日、食材をムラなく解凍する独自技術「やさしさ解凍」(特許取得済)の技術を採用し、メニューに合わせた最適な解凍・あたためが可能な〈業務用単機能電子レンジ〉を、全国の飲食店を中心に販売する。
他社電子レンジの解凍モードの場合、500WでONとOFFをこまめに切り替えて断続運転することで、「実質200W」を実現。その結果、解凍時の食品・食材に対するダメージが大きくなり、解凍ムラが発生しやすくなってしまう。
同社の〈業務用単機能電子レンジ〉は、独自技術「やさしさ解凍」により、500Wより低い300WでONとOFFをこまめに切り替えて断続運転することで、「実質200W」を実現した。
出力を細やかにコントロールし、食材に熱を通しすぎない低出力でじっくりあたためるため、食材に与えるダメージを最小限に抑えて解凍。それにより他社製品に比べて解凍時の食品・食材に対するダメージが最小限に抑えられ、よりムラなく解凍できる。
他社製品との比較で解凍した刺し身のサクの場合、解凍時間は独自プログラムで25分と、流水解凍や冷蔵解凍に比べて時短で解凍することができる。
冷凍保存した刺身のサクや鶏肉、冷凍ケーキといった加減の難しい食材も、自然解凍よりも手間なく時短で、食品・食材の品質を落とさず、常に一定のクオリティで解凍することができるという。
翌日分の食材を解凍するための出勤が不要になることで人件費削減につなげられ、また、その都度解凍が可能なため事前にまとめて解凍しておく必要がなく、売り切れや売れ残りによる販売ロス・フードロス削減に寄与できるという。もちろん解凍だけでなく、あたためもムラなく仕上がる。
また、店のメニューに合わせた専用の解凍・あたためプログラムをプリセットして提供するサービスも予定している(別途、プログラムの開発料・プリインストール料がかかる)。最大10メニューまで登録可能だという。
さらにメニューごとにワンタッチで調理ができる操作ボタンに加え、日々のオペレーションで便利な「2倍量・3倍量」ボタンも搭載。登録メニューの2倍・3倍の量を加熱する際、時間設定の手間を省ける。耐久性に優れた設計も特徴で、ドア開閉は20万回の耐久テストをクリアした。
同社は同製品開発の経緯について、「コロナ禍で冷凍食品の消費量が上がった反面、『うまくあたためられない』というクレームが冷凍食品メーカーに対して倍増したという記事を目にした。そこでそのメーカーにヒアリングしてみたところ、実はBtoBでの悩みでもあったことが分かり、その問題を当社の持つ解凍技術で解決できるのではないかと思い、開発を試みた」と説明する。