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ウナギやマグロなどの培養魚開発目指すシンガポール企業が日本進出!【ウマミミーツ】

2023年5月22日 10:15 am

 培養魚の開発と実用化を目指すシンガポールのスタートアップ企業Umami Meats(ウマミミーツ/ミヒア・パーシャド創設者兼CEO)は、世界的危機に直面する海洋資源の保護と日本人の魚食文化を守るため日本進出を決めた。今後、日本企業と提携することで最先端のテクノロジーと安全な魚介類を世代を超えて提供するエコシステムを構築することを目指すとしている。

 現在、乱獲により貴重な魚種が絶滅の危機に瀕しており、例えばニホンウナギは3世代にわたって生息数が50%減少。国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種に指定されている。実際、ニホンウナギの天然漁獲量は過去10年間で80%以上減少しており、現在食されているウナギのほとんどは幼魚のうちに捕獲され市場に出回る大きさに整えられたものとなっている。また、メバチマグロも過去20年間で個体数が30%減少している。

 2020年に設立された同社は、最先端の幹細胞生物学、機械学習、自動化を組み合わせて、持続可能な培養魚の自動生産プラットフォームを構築。日本でも需要が高い、ウナギ、ハタハタ、鯛、マグロなど、絶滅の危機に瀕している魚種の培養魚開発に注力している。

 今回の日本進出にあたり、今後日本支社を設立し、日本の複数の企業が協力して、地域の文化やサプライチェーンに適した製造エコシステムと消費者向けアプリケーションを構築する「イノベーションラボ」として関係者が集う場所となり、日本企業とのパートナーシップのもと、さまざまなシーフードの商品化を目指すとしている。

 ミヒア・パーシャド創設者兼CEOは、「日本は魚食文化で、海洋水産物の品質基準が高いことが世界的に認められています。サステナブルシーフードの未来は、日本企業とのパートナーシップと消費者のニーズへの共感によって築かれると考えています。私たちは、スタートアップ企業とリーディングカンパニーが一体となり、オープンイノベーションプラットフォームを構築し、この領域を創造していきたいと考えています」とコメントした。