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薩摩酒造や九州大などとサツマイモ基腐病対策の産学連携コンソーシアム設立【welzo】

2023年5月19日 1:17 pm

 肥料・飼料卸売商社のwelzo(福岡・博多、金尾佳文社長)は、サツマイモ基腐病(以下、基腐病)により最大25%収穫量が減り、国内大手焼酎メーカーでも一部の商品について販売休止する事態になっていることから、産学連携のコンソーシアム「みんなのサツマイモを守るプロジェクト-Save The Sweet Potato-」https://www.savethesweetpotato.com/を設立した。

 現在、薩摩酒造、小鹿酒造、九州大学大学院農学研究室土壌環境微生物学研究室、東京大学発アグリテックベンチャーCULTAが参加しており、鹿児島県の農家とともに活動していく。

 基腐病は糸状菌(カビの一種)が原因で、感染すると葉や茎が枯れ、サツマイモが腐敗する病気。2018年頃から感染が確認されており、鹿児島・宮崎を中心にまん延。現在は北海道にまで拡大している。基腐病の被害については特に焼酎用のサツマイモで、全体の生産量の約47%が失われ、焼酎メーカーの生産量ベースで約3500万本、売上高ベース換算で約300億円もの市場が失われたという。

 同コンソーシアムでは、「農家、焼酎メーカー、大学など分野を横断した知見の集約により基腐病の知恵袋になること」と、「まだ解明されていない基腐病に対する『防除法』の研究・発信」「九州大学やスタートアップ企業を含めた連携により防除法や基腐病に強い品種の開発」を進める。