代替肉の研究開発・製造・販売などを手掛けるDr.Foods(東京・新宿、石塚孝一社長)は、岩手県の食品会社マーマフーズと協業して、昆布の抽出成分などで作った「植物性(ヴィーガン)キャビア」の開発に成功した。
当初は魚の脂肪から製造することを試したもののコスト面などで断念。マーマフーズのある岩手県が昆布の漁獲量で全国3位であり、特産品を作りたいとの意向もあったことから植物性キャビアの開発に変更した。
キャビアの最高級品「ベルーガ」に近づけるため、昆布からの抽出成分をはじめとした多糖類を主原料に色や固さなどを調整。本物のキャビアに近い油脂の味わいを再現しつつ臭みなどは感じないよう仕上げたという。
これまでシンガポール、アメリカ、オランダ、東京で試食会を開催したところ高い評価を受け、英・ロンドンのフードコートでの提供が決まっている。日本では東京の鮨店「麻布十番 秦野よしき」の分店「立喰 鮨となり」で、茄子の揚げびたしに乗せた〈茄子のヴィーガンキャビア乗せ〉(1貫・880円)を期間限定で提供する。
石塚孝一社長は、「品質にこだわりつつ導入しやすい価格を実現した。今後、昆布を岩手県産にし、現在は冷凍品だが常温対応できるように改良していく」と語った。販売価格は50gで税込4400円。生産体制が整い次第、業務用として発売する。