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羊肉は一過性のブームから身近な食材に!?【HPグルメ外食総研調べ】

2023年1月26日 10:31 am

 記者は羊肉、それもラムよりマトンの方が好きなのだが、「独特の匂いが苦手」と敬遠する人は少なくない。エスニック料理やガチ中華の普及により、羊肉好きは多少増えてきた印象があるが、果たしてどうなのだろうか。

 リクルートの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研(以下、外食総研)」が、全国20~60代の男女1035人(男性517人、女性518人)に「羊肉(ラム・マトンなど)は好きか」を聞いたところ、「好き」(49.1%)が「苦手」(30.9%)を大きく上回り、「食べたことがない」は20.0%となった

 一方で羊肉を食べたことのある人が羊肉を食べる頻度について尋ねたところ、「日常的に」は2.4%、「月に1回程度」4.2%、「年に数回」19.7%、「ほとんど食べない」41.9%、「食べない」が31.8%という結果になった。
 なお約半数が「好き」と答えていながら、頻度として年に複数回食べる人は4人に1人程度(26.3%)ということが判明した。

 外食総研の有木真理上席研究員は、「苦手な人が多いイメージだった羊肉だが、ヘルシーなイメージが浸透し、近年の羊肉のクオリティーが上がっている影響がありそうだ」と分析。
 「一方で食べる頻度については、年間数回にも満たない人が7割以上。マーケットの伸びしろは大きいと考えられる」と推測する。

 好きな羊肉料理1位は、「ジンギスカン」(48.0%)で、2位以下は「羊肉の焼肉」(32.3%)、「ラムチョップ」(22.1%)が続いた。

 また、食べてみたい羊肉料理では「羊肉のシチュー」(46.3%)がトップ。以下、「羊肉のケバブサンド」(45.3%)、「シシカバブ」(45.2%)、「羊肉の串焼き」(44.8%)、「羊肉のしゃぶしゃぶ」(43.6%)など、アジア・中東の料理が僅差で続いた。

 有木上席研究員は、「以前は羊肉といえば『ジンギスカン』だったが、いまは店舗で提供される料理のバリエーションも広がった。食べてみたい羊肉料理にランクインした『ラムしゃぶ』『串焼き』もよく目にするようになった」と指摘。

 さらに「羊肉料理のバラエティーが増え、羊肉そのものも市民権を得つつあるという調査結果からも期待される通り、今後羊肉料理がますます身近なものになりそうだ」と解説した。

 記者個人としては、味付きではないマトンを提供する飲食店がもっと増えてほしいと願っている。この調査は2022年11月18~20日に実施された。