国民食ともいえる「唐揚げ」。コロナ禍により唐揚げのテイクアウト専門店が増え、大手チェーンも唐揚げに特化した業態を打ち出している。日本唐揚協会が主催する「からあげグランプリ」は毎回盛況だ。
そんな唐揚げを「もっとおいしく食べたい!」という想いだけで3年以上かけて開発を行い、特許まで取得した唐揚げ専用緩衝材〈カラッとペーパー〉(サイズ250mm×300mm/100枚入り・税別1280円)が12月14日、コウダプロ(福岡・天神南、幸田八州雄社長)から発売された。
唐揚げ専用緩衝材とは何ぞや?となるが、唐揚げをはじめとした揚げ物の余分な油分や⽔分を吸収し、カラッとおいしくヘルシーに仕上げて保温効果もある、特許取得済の食品用緩衝材だという。唐揚げ専用と謳ってはいるものの、かき揚げやフライなど揚げ物全般に使える。
〈カラッとペーパー〉は、クラフト紙を⽴体化することで唐揚げを包みこむことができ、全⽅位からの吸油が可能だ。また特殊加工により余分な蒸気が抜けるため、ベチャっとなるのを防ぐ。
保温も長く維持できる。同社は唐揚げのテイクアウトを想定し、①ペーパー使⽤なし②キッチンペーパー使⽤③〈カラッとペーパー〉使⽤──の3つに分け、30分後、60分後の温度変化を計測した。
すると①と②は、30分後には47℃まで冷めていたのに対し、③は60℃を保っていた。さらに60分後では①と②が37℃だったのに対し③は46℃と、長時間の保温効果が確認できた。
現在、「チキン&ベジタブル SunAo」や「ラビットフードマーケット」、「豆皿中華Q」といった福岡県内の唐揚げ店でも導入されており、好評のようだ。
また、「めんべい」で有名な⼭⼝油屋福太郎でも業務用食材卸業内で〈カラッとペーパー〉を取り扱っている。
〈カラッとペーパー〉を開発した同社の揚げ物革命事業部事業部長の原口水月さんは、物心ついたときから大の唐揚げ好きな26歳OL。
スーパーに行けば唐揚げ弁当を、飲食店に行けば唐揚げ定食を、部活帰りの買い食いでは唐揚げ棒を──と、常に唐揚げを愛してきた。
しかし、揚げたての唐揚げはおいしいものの、時間が経つと蒸気でベチャっとしたり油っぽくなったりしておいしさが失われてしまう。
「ベチャっとしていない唐揚げを食べたい。もっとおいしく唐揚げを食べたい!」という想いを叶えるべく、自ら研究開発を始めたという。
そんなある日、ワインを梱包するための緩衝材を見てひらめいた。社長に直談判して一度は断られるも諦めず、特許を取得し食品衛生法に準拠して製造できる工場を探し、3年以上かけて製品化・事業化にこぎつけたというから、おいしい唐揚げを食べたいという原口さんの情熱は並々ならぬものだ。
「世の中の唐揚げをもっとおいしくし、ひいては唐揚げマニアたちのQOKL(Quality Of Karaage Life)を向上させていきたい」という原口さん。今後ますますの活躍が期待される。