うな丼チェーン「名代 宇奈とと」の運営と飲食店の経営サポートを手がけるG-FACTORYは10月3日、短期間で料理人を育成する「飲食人大学」創設者の宇都裕昭氏を校長に迎え、「寿司」「焼鳥」「ラーメン」「そば・うどん」の4業態の料理人を育てる飲食店併設型育成スクール「飲食塾」(https://inshokujuku.com/)を東京・新宿に開講する。
同スクールの最大の特徴は、教室の隣に飲食店「守破離(しゅはり)」を設け、カリキュラムに店舗運営を入れた点だ。料理を作るだけでなく、収支の計算やマーケティング、PRなども生徒が手掛け実地で学べるようにし、お客さんに成長を見守られ応援される店にしていくという。
メニューについては授業の進捗状況を見ながら講師が決め、オペレーションがうまく回らないようなら入店人数を制限することなども検討するという。さらに価格についても、通常より高めに設定し、年齢、性別、国籍の垣根なしに短期間でもその価格帯に見合った職人を育てられることを示すとしている。
「守破離(しゅはり)」は12坪・カウンターのみ10席で、寿司店を営業しながら隣の教室でラーメンの授業を行うという使い方となり、店舗はその都度、各業態の店に変わる。当面はランチセットのみの営業とし、客単価1200~1500円を予定する。
宇都校長は記者発表会で「海外では和食の料理人は給料が高く引く手あまたで、チップだけで月100万円稼げたりする。当校では、どんな価格帯の店でも働けるよう高級業態で通用する技術を教える」と語った。
同校では、仕入れた魚の鮮度と味を長く保つ画期的な血抜き法『津本式』を編み出した津本光弘氏が特別講師を務めるほか、海外では鶏肉が内臓付きのまま納品されることが多く、串打ちの技術だけでは太刀打ちできないことから、内臓付きのまるごと鶏の解体も教える。
また、G-FACTORYの片平雅之社長が「『飲食塾』で国内外に正しい日本食を発信できる料理人を育て、世界に日本食文化を広げたい」と語るように、卒業後も希望者に対しては、ベトナムやシンガポール、タイなどの飲食店への就職や海外出店などをサポートする。
ほかにも、経験豊富なキャリアプランナーが同社以外の飲食店も含めて、それぞれに合った国内の就職先を紹介したり、G-FACTORYのコンサルティング事業の一環である店舗リースサービスを活用して投資額を極力抑えた「0円出店」を利用できるようにしてバックアップする。片平社長は「来年1月にベトナムにオープンする寿司店には塾生を派遣したい」と語った。
同スクールの入学金は11万円で、受講料は「寿司」が121万円(受講期間3カ月)、「焼鳥」が66万円(同2カ月)、「ラーメン」が66万円(同1カ月)、「そば・うどん」が44万円。別途、教本や包丁、白衣などに5万円が必要となり、第1期生のみ「寿司」コースの入学金と受講料は半額になる。
10月3日に「寿司」と「焼鳥」を開講し、12月に「ラーメン」、来年3月に「そば・うどん」を始める予定。当面は先着順で10人ほどから始める。