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コロナ禍前と後で7割が「酒量に変化なし」だが「飲めるけどあえて飲まない人」が微増【日本インフォメーション調べ】

2021年12月24日 5:52 pm

 マーケティング・リサーチ事業を展開する日本インフォメーション(東京・東銀座、斎藤啓太社長)は2021年11月11日~12日、16~59歳の男女1729人に、コロナ禍が落ち着いた今の消費者の飲食・健康習慣について調査を実施した。

 まず、飲食・健康習慣の変化について、「コロナ禍」「最近のコロナ禍が落ち着いた状況」それぞれでの実態について聴取した。

 その結果、自宅で過ごすための飲食習慣が減る一方で、増加した習慣も多く見られた。5ポイント以上増加したのは「外食(3名以上)(+12.7ポイント)」、「外食(1~2名)(+6.9ポイント)」と、コロナ禍で規制されていた外食が増える結果となった。

 特に「外食(3名以上)」は男性20代以下で18ポイント以上、女性20代以下で17ポイント以上と若年層で大幅に増えている。加えて「外食(1~2名)」も女性20~40代で10ポイント以上が増加している。

 反面「まとめ買い」は女性の全年代で10ポイント以上減少し、「自宅飲み」は特に20代男性でマイナス11.4ポイントとなった。また「自炊」は男性20代・女性10代が11ポイント以上減少しており、意識を向く方向が内から外にシフトしている様子がわかる。

 続いて、アルコール飲料の摂取量の変化について聞いたところ、摂取量は「変わらない」が7割と最も多い結果となった。

 一方で、「コロナ禍」「コロナ禍が落ち着いた状況」ともに男女20代で「減った」とする回答が目立ち、2~3割と最も多くなっている。

 「増えた」では、「コロナ禍」では男女とも30代、「コロナ禍が落ち着いた状況」では男女とも20代が最も多く、若年層に増減ともやや影響があった傾向が見られた

 アルコールの摂取量が減少傾向な要因として、「ソーバーキュリアス(お酒は飲めるけどあえて飲まない選択をする人)」の増加もあるのではないかと考え、その実態を確認した。

 男女とも20代の「ソーバーキュリアス」が3~4割と多く、年代が上がるにつれて減る傾向にある。

 「コロナ禍の以前からソーバーキュリアスである」が全体で2割と一定数いる一方、「コロナ禍でソーバーキュリアスになった」が男女とも20代で1割と最も多く、男性30代も増えている。また、男性よりも女性が「ソーバーキュリアス」である傾向がみてとれる。

 ソーバーキュリアスに当てはまると回答した方にそうなった理由を聞いたところ、「出費が抑えられる」「健康習慣を維持したい」「飲み会が面倒くさい」が主な理由として挙がった。

 特に、男性20・30代では「出費が抑えられる」が4割、「飲み会が面倒くさい」が3割以上挙げられた。また、女性20代でも「出費が抑えられる」「飲み会が面倒」が3割と、他の年代より多いほか、「会話が楽しめる」も2割みられた。

 同社は、「今回の調査では、コロナ禍が落ち着いてきて、イエナカから外へと行動習慣が戻りつつある現状が見えてきた。特に若年層は外出頻度が上がっているようだ。一方で、アルコール摂取量の減少など、コロナ前には完全に戻らない実態もみられた」と分析した。