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首都圏零細飲食店の4割超が雇用関連の支援金申請せず【シンクロ・フード調べ】

2021年4月16日 8:44 am

 飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」(https://www.inshokuten.com/research/company/)を運営するシンクロ・フードが、物件情報サイト「飲食店.COM」の会員を対象に、コロナ禍の雇用状況や人材管理についてアンケート調査したところ、雇用関連支援金について4割超が「申請や申請協力を行ったことはない」と回答したことがわかった。

 同社は、今回の調査の回答者503人のうち67%が1店舗のみを運営している事業者で、東京の飲食店の割合が55.1%(首都圏では71.6%)となっていることが結果に影響していることを付記している。

 雇用関連支援金については、「『雇用調整助成金(特例措置)』を申請」が46.3%と最多だったものの、次いで「雇用関連支援金の申請や申請協力を行ったことはない」が42.7%と続き、約4割は雇用関連の支援金を利用していない現状が明確となった。

 「これから採用したい雇用形態」についての質問では、「正社員・アルバイトどちらも不要」(40.6%)の回答に続き「アルバイトのみ採用したい」(31%)、「正社員・アルバイトどちらも採用したい」(22.9%)と続き、「正社員のみ採用したい」は5.6%と低く、採用を考えている店舗では、正社員よりアルバイトの需要が高いことが分かった。

 「特に重視する人材採用基準」では、簿記資格や経理業務経験者、運転免許保持者、調理経験者などの即戦力となる資格保有者や経験者や、パソコンやSNSでの発信の知識があること、少ない勤務日数や時間でも働ける人を求める声が多く寄せられたという。

 現在のコロナ禍で雇用や従業員に関する悩みを聞いたところ、最も多かったのが「従業員の希望に沿ったシフトを組めない」(40.8%)で、「従業員の希望額を満たす給与を出せない」(32.8%)が次点となった。一方、23.3%が「人材が不足している」と回答しており、同社では「コロナ禍における雇用維持の厳しさと、採用基準との兼ね合いの難しさが浮き彫りとなった」とコメントしている。

 また「2020年10月以降、従業員(正社員・アルバイト)の雇用に変化があったか」を尋ねたところ、「正社員もアルバイトも変わらない」との回答が52.5%と半数以上を占めた。「従業員(正社員もしくはアルバイト)が減った」との回答の内訳を見ると、「正社員は変わらないが、アルバイトは減った」(25.8%)「正社員もアルバイトも減った」(18.5%)と、正社員よりもアルバイトの方が減少していることがわかった。

 減少の理由では「従業員の都合(コロナの影響)による退職者が出たため」(33.5%)と「店舗側の都合(コロナの影響)により解雇したため」(31%)とを合わせると64.5%はコロナの影響によるものだった。