調査・統計特集

7.4億件の食事記録から見えてきた!コロナ禍の内食で人気急上昇になったお酒や食品は?【asken】

2020年12月17日 8:00 am

 食事管理アプリ「あすけん」を開発・運用するasken(東京・新宿、中島洋社長)は、2020年1月~10月末までに「あすけん」480万人のユーザーが登録した食事記録7.4億件から、もっとも多く食べられた市販食品を集計し、2019年の同期間と比較して急上昇している食品から見える、今年のトレンドキーワードをピックアップした。

 「あすけん」管理栄養士の道江美貴子氏は、「2020年の市販食品ランキングは、世界的に流行した新型コロナウイルス感染症によって、急激に変化したライフスタイルが反映されたものになった。テレワークやオンラインでの交流などを自宅で行う人が増え、自炊をする機会も以前より増えたため、自身の食事の栄養バランスや体調を管理することに意識が向いたようだ」と分析。

 「同時に、懸念されている運動不足を解消するためか、筋トレ・ボディメイクを意識させるプロテインが順位を上げている。特に筋トレやボディメイクの効果を高めるために、脂質やカロリーを抑えつつ、多めにたんぱく質を摂りたい場合にとり入れている人が多いようだ」と指摘した。

 外食には直接関係しないものの、内食のブームは外食にも波及することが多い。いま何が人気なのかを知ることで、コロナ禍における高付加価値メニューの開発・研究に役立つのではないだろうか。

 あるいはこれらの傾向を逆手にとり、家で健康的なものを常食しているからこそ、たまの外食では栄養バランスなどを気にせず思いきり好きなものやリッチなものを食べたい! という欲求に訴求するのも手だ。

Contents

【宅飲み】×【話題のレモンサワー】or【カロリー&コスト控えめ】…宅飲みは話題の「レサワ」やカロリー控えめの発泡酒・ノンアルコールビールで楽しむ

 アルコールランキングでは、話題のキーワードにもなっている「レモンサワー」が人気で、〈こだわり酒場のレモンサワー〉、〈氷結ZERO シチリア産レモン〉、〈タカラ 焼酎ハイボール〈レモン〉〉が昨年よりも上昇した。

 そのほか低糖質系の発泡酒や、ノンアルコールビールではアサヒ ドライゼロ〉、〈キリン零ICHI〉、〈オールフリー〉なども登録数が増えた。

 宅飲みでは、「コロナ太り」を考慮して、カロリー控えめの発泡酒やノンアルコールビールが人気だった模様だ。

【ダイエット】×【糖質オフ食品】…糖質制限ダイエットブームが続き、糖質をカットした食品が続々と新発売し登録数アップ

 すっかり定着した「糖質オフ」ダイエットだが、市販食品でも「低糖質」や「糖質オフ」を謳った製品が増えつつある。

〈ごろっとグラノーラ 3種のまるごと大豆 糖質60%オフ〉、〈糖質0サラダチキン〉など食事系の製品のほか、〈アーモンド効果 砂糖不使用〉は、「第3のミルク」と話題の低糖質なアーモンドミルク飲料。アイスクリーム〈SUNAO バニラ(1個120ml)〉もランキング急上昇していた。

【宅トレ】×【たんぱく質食品】…筋トレ愛好家の友、プロテインに続く新たなたんぱく質源〈オートミール〉が上位に複数ラインクイン

 筋トレ愛好家を中心にSNSで広まった〈オートミール〉が上位にランクイン。
「燕麦(えんばく)」を加工した全粒穀物で、人気の定番品となったグラノーラと比べてよりシンプルで、お粥やリゾットのようにして食べたり、好みの具材を入れるなど、自身が摂りたい栄養素を加味して好みの食べ方やアレンジができることが特徴。
 栄養面では糖質が少なく低カロリー、たんぱく質や食物繊維も取れるため、利用する人が増えたようだ。

 そのほかマイプロテインの〈インパクト ホエイ〉シリーズ、〈ザバス〉シリーズ、〈一本満足バー〉などのプロテイン製品や、〈ダノンオイコス〉の高たんぱく質ヨーグルトの登録数が大きく伸びた。

【ヘルスケア】×【お手軽食品】…貧血や骨粗しょう症対策の『#ミロ活』をはじめ、不足しがちな栄養素を手軽に補える食品が人気

 〈ネスレ ミロ〉は、貧血女子のSNSでのつぶやきをきっかけに人気に火が付き、売り切れが続出。子ども向けのロングセラー製品だが、鉄分、カルシウム、ビタミンDなどを手軽に摂れることから、骨粗しょう症対策としても取り入れる人が急増している模様。

 例年の市販食品ランキング上位にランクインする〈サプリメント〉類も、2019年は150位内に13品でしたが、2020年は17品とランクインする数が増え、登録件数も1.8倍に。健康志向が高まり、サプリを活用している人が増えたと言えそうだ。

2020年市販食品急上昇ランキングは健康志向が反映された内容に

 総合ランキング150位以内の中で、昨年よりも順位が急上昇した商品の一部を紹介する。いずれの食品も健康志向が反映されているところに、2020年のトレンドが見られる。
※集計期間:2020年1月~10月 (前年同期間と比較)

2020年あすけん市販食品急上昇ランキング