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テイクアウトで利用するサービスはどれがいい? 全国対応している各種サービスを比較

2020年5月20日 12:06 pm

 新型コロナウイルスの影響でテイクアウトを始める飲食店が急増し、それに伴い、ICTやアプリを活用したテイクアウト向けサービスも数多く提供されている。

 テイクアウトを始めたことを知ってもらうためには、店頭での告知だけではなく、ネットを活用することは有効であるものの、どのサービスを使えばいいか、迷うほどになっている。新たに始まったサービスの多くは当初、県や市単位でエリアを限定したものが多かったものの、5月に入ってからはPayPayや楽天など、大手企業が相次いで参入してきた。そこで今回は、テイクアウト関連で全国をカバーしている主なサービスについて表にまとめた(5月18日現在、公表資料などをもとに作成)。

 グルメサイトでは、全社が特集ページを開設。そんな中、食べログは事前注文・決済できるテイクアウト専用アプリも開発。また、ウェブコンサルティングのホワイトボックス調べによると、テイクアウトを始めた店舗を知るきっかけとして「食べログ」が41.6%を占めており、やはりグルメサイトの中では、最も消費者への影響力が強いと言えるだろう。

 特集ページには、「食べログ」と「トリップアドバイザー」は無料で掲載でき、ヒトサラも期間限定で無料掲載するキャンペーンを実施中。「ぐるなび」と「ホットペッパーグルメ」は会員向け(試用プランなどで、一定期間無料掲載できる場合あり)となっている。テイクアウトのエリア内に外国人が多い地域では、外国人に強い「トリップアドバイザー」も効果が見込めるかもしれない。

 マップ提供のヤフーとグーグルはほぼ同じサービスを提供しているものの、以前から飲食店情報と口コミを掲載しているグーグルの方が、飲食店にとっては効果が大きいか。さらに、「グーグル マイビジネス」は「席の予約」にも対応しており、大手の予約受付・管理を手掛けるサービス事業者と連携していることから、それらのサービスを利用している場合は利便性がさらに高まる。

 アプリでは、月間アクティブユーザー8300万人以上でQRコード決済「LINE Pay」も提供しているLINEが最も実績があり、それを追ってPayPayと楽天が新規参入した。楽天は1億260万IDの会員数と楽天ポイントや楽天ペイによる集客力を、PayPayは「最も利用しているQRコード決済」のアンケート調査(MMD研究所調べ)で、2位の「楽天ペイ」(16.4%)を大きく引き離してトップの46.7%を占めるなど、両社ともに加盟店や会員の多さを武器に、LINEの牙城を崩そうとしている。3社のうちどれかのQRコード決済を導入している店舗では、まずはその企業のテイクアウトサービスを検討するのがいいだろう。

 一方で、新型コロナ前から広がりを見せていたさまざまなテイクアウトアプリの中では、2019年4月にサービスを開始したmenuがいち早く全国展開に乗り出し、加盟店を増やしている。主にICT系やスタートアップ系に興味を持つ若年層の利用者が多く、4月から東京都内の一部エリアでデリバリーにも対応したことで、直近3カ月で新規ユーザー数が19倍となった。加盟店も1月と4月を比べると約30倍増を記録し、5月18日時点で約1万5000店舗が加盟している。大手には掲載されていない個店や専門店などのラインナップを強みとし、現在急成長中だ。

 キャンペーンを見ると、「menu」が約2年後の2022年3月末まで無料で利用できるのが大きな特徴だ。「楽天 リアルタイムテイクアウト」が10月末まで決済手数料のみで利用でき、「PayPay ピックアップ」は8月末まで月額料金無料・手数料半額で、決済手数料は21年9月末まで無料としている。「食べログ テイクアウト」は5月末までの申し込みで1カ月間月額利用料が無料となる。まず低コストで始めたいという場合は2年間無料で使えるmenuが一番だろう。

 キャンペーン後の料金を見ると、サービス手数料の比率(売上からの割合)は楽天(6%)が最も低く、PayPay(8%)、食べログ(9%)、menu(10%)、LINE(15%)と続く。月額料金はmenuと食べログが無料で、PayPay(480円)、楽天(3000円)、LINE(5000円)となっている。また、決裁手数料は各社で違いはあるものの、2.5~3%となっており、収益にも影響するため、サービスを利用する際には考慮する必要がある。

 ちなみに、決済手数料などを別にした手数料と月額料金のみで比較すると、月に7万5000円以上売り上げる場合、月額料無料のmenuよりも手数料が最も安い楽天の方が割安になり、10万円以上の場合なら、月額無料の食べログよりも楽天が割安になる。また、12万6000円以上となると、月額料金有料の中では最も安いPayPayよりも楽天の方が割安になる計算となる。

 各社ともキャンペーンがあったり、手数料や利用料の比率に違いがあるため、店の規模や目的、想定の売上高などに合ったものを選ぶことが重要となる。

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