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布おしぼりで拭くだけで99.73%の菌が減少!!【全国おしぼり協同組合連合会の公的検査】

2020年9月1日 1:39 pm

 新型コロナウイルスの感染予防対策で、店の入り口でお客さんの手指をアルコール消毒したり、マスク着用での入店をお願いしたりと、衛生対策オペレーションが定着化しつつある外食業界。

 そんな折、貸おしぼり業約220社が加盟する全国おしぼり協同組合連合会(愛知県名古屋市、山口高広理事長 http://www.kasiosibori.or.jp/)が、東京都食品衛生協会の東京食品技術研究所にて行った検査結果は注目だ。

 まず、①布おしぼりで拭く前の手のひらの細菌数と、②製造後4日経過した布おしぼりで拭いた後の手のひらの細菌数──の検査を51検体で実施。①の平均細菌数は1億4390万5340個だったのが、②では38万7659個と、布おしぼりで手指を拭いた場合、菌が99.73%の減少となったのだ。

 同組合加盟社が納品する布おしぼりは、飲食店から回収後選別し、界面活性剤入り洗剤と60℃以上の熱湯で10分以上洗濯。さらに厚生労働省が定める、次のおしぼりの消毒方法を実施するので、国の衛生基準を満たしている。

①塩素剤などによる消毒
 さらし粉、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液中に3分間以上浸すこと。
②熱湯などによる消毒
 80℃以上の熱湯に10分間以上浸すか、又は、100℃以上の蒸気に10分間以上触れさせること。

 界面活性剤と次亜塩素酸ナトリウムといえば、いずれも新型コロナ対策に効果的な製品だ。これらのダブルの処理を行っている布おしぼりは、非常に清潔かつウイルスや雑菌も存在しないといえる。

 また、アルコール(度数65%)消毒のみの場合、使用前に比べた平均滅菌率は73.5%のところ、おしぼりで手指をふき取り後、アルコール消毒を実施した時の平均滅菌率は99.99%と、おしぼり→アルコール消毒の順序での滅菌効果はさらに高くなることが判明した。

 厳密には新型コロナウイルスは菌ではないものの、手には食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌をはじめとした雑菌が多数ついているため、清潔であることにこしたことはない。

 また、東日本おしぼり協同組合(東京都台東区、小此木正信理事長 http://www.hok.or.jp/)では、飲食店向けに以下のようなフライヤーを作成した。
 お客さんの入店時に、布おしぼりで手指を拭いてもらってからアルコール消毒をすれば、より徹底した感染予防対策ができるが、入店時にアルコール消毒をしてもらってから、席では布おしぼりで手指をしっかり拭いてもらうだけでも十分な効果が得られそうだ。

 お客さんに提供する際は、袋のままか、あるいは袋の破り口からお客さんに直接取り出してもらうようにすれば、スタッフがおしぼりの布に直接触れることなく渡せるので衛生的だ。
 使用後の布おしぼりを客席から回収する際は、使い捨てポリ手袋を着用するか、回収後は必ず手洗いを実施するなど、使用後の取り扱い方にも十分注意をしよう。

 手指の滅菌に効果があり、繰り返し使えてSDGsにも有効な布おしぼりの良さを一度見直すのもいいかもしれない。

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