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5割が店選びに「換気・席間隔・従業員のマスク」を重要視【HPG外食総研調べ】

2021年12月3日 8:50 am

 リクルートの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、2021年11月5~6日の期間、首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女1034人(うち男性517人、女性517人)を対象に、「第6回 外食実態調査」について調査を実施した。

 同社は同様の調査を2020年6月、7月、11月、2021年3月、9月に行ってきており、今回で6回目となる。

■現在の外食意向「当分は様子を見て外食を控える」21.5%。2021年7月より13.4pt減少、外食意向は回復傾向

 コロナ禍前と比べての外食頻度の変化については、前回、2021年7月の調査に比べると、外食頻度はやや持ち直したようで、「当分は様子を見て外食を控える」とした人は21.5%(前回34.9%、前回比-13.4pt)と減少した。

 また、コロナ禍前と「変わらない頻度で行くつもりだ/行っている」(23.9%)、「頻度を減らして行くつもりだ/行っている」(45.0%)ともに、前回調査とほぼ同じか増加している。

 今回調査の折れ線グラフの形状は、2020年11月調査時に類似しており、この頃は政府の 「Go To キャンペーン」が行われ、消費活動がいったん上向いた時期であり、同社は「コロナ禍前水準とはまだ乖離があるものの、外食が一定の回復傾向にあるとみることができそうだ」と分析する。

 次に、外食頻度がコロナ禍前と比べて変化した人にその理由を聞いたところ、最も多かったのは過去3回の調査同様に「感染しないか不安だから」が52.4%(前回調査73.3%)、2番目に多かったのも過去3回と同様で「まだ自粛すべきだと思うから」が36.6%(同49.9%)。

 共に2021年7月調査よりスコアが下がっており、不安が和らいできている様子がうかがえる。また、今回「店の衛生対策の進み具合を見て、しっかりした店を選ぶつもりだから」が18.8%と過去3回との比較では最も高い数値となっており、緊急事態宣言が解除されて一律の営業自粛要請がなくなったことで、主体的に店選びをしていこうという意向がみられた。

 外食するお店を選ぶ際に気にすることについては、全体の傾向はこれまでの複数回の調査で上位に挙げられた項目が、今回も上位にあることに変わりはないが、最もスコアが高かったのは、「きちんと換気がされているか」が54.7%。

 次いで「席の間隔が空いているか」が53.7%、3番目は「従業員のマスク着用が徹底されているか」が47.1%であった。

 今回、新たに加えた選択肢の「都道府県などの自治体の認証を受けた店かどうか」を20.8%の人がお店選びの際に気にしているという結果が得られた。換気や席の間隔ほど気にしている人が多いわけではないが、ある程度の影響はありそうだ。

■外食店の「ワクチンパスポート特典」を今後利用してみたい人は51.5%

 ワクチン接種証明書や陰性証明書の持参者に、特典のある飲食店の認知と利用意向を聞いたところ、「知っている(すでに利用した」人はまだ2.3%と少ないが、「知っている(まだ利用してはいないが、今後利用したい」人は51.5%と過半数であった。

 一方、「知っている(利用するつもりはない)」人は19.8%、「知らない」人は26.5%とそれぞれ2割前後いるという状況だ。

■所属団体で忘年会の実施予定が「ある」10.4%、「ない」40.8%

 所属する組織や団体(勤め先、学校、その他)における今年の忘年会の予定については、調査が11月上旬であったことから、忘年会の検討はその後本格化することも考えられるが、調査時点での予定としては、忘年会の実施予定が「ある」と回答した人が10.4%、「ない」とした人が40.8%、「わからない」とした人が19.9%、「所属団体はない」とした人が28.8%であった。

 「わからない」とする人も約2割いるため、今後の新型コロナウイルスの感染拡大状況によって、実施状況は大きく変わりそうだ。

 また、今年の忘年会について、所属する組織・団体(勤め先、学校、その他から、何らかの制限や指示が出ているかについて、細かい制限ごとの選択肢を積み上げて集計したところ、「制限はない」が50.0%、「なんらかの制限がある・計」が47.0%、とほぼ半々という結果であった。

 「なんらかの制限がある」の内訳としては、「オフィシャルな忘年会は自粛」が16.8%「制限する指示がなんとなくあるが、内容はあいまい」が15.8%で比較的多く集中している。

 ほかに選択肢としては、人数や時間帯、会場等細かく用意したが、細部に渡る指示が出ているケースはあまり多くはないようだ。

年末年始に帰省予定がある人は36.7%、外食する予定がある人は44.8%

 年末年始の帰省の予定については、「帰省する」人が36.7%、「帰省先があるが帰省しない」人が20.1%、「帰省先がない」人が43.1%という分布となっている。また、それぞれの中で外食を行うかについて聞き、合算した「外食する・計」は44.8%となっている。

 同社は、「この数字が例年に比べて高いのか低いのかは、経年のデータがないためなんとも言えないが、現状は昨年ほどには行政から帰省自粛の呼びかけがなされていないことから、少なくとも昨年末よりは帰省する人は増加するのかもしれない」と分析した。