ウィズコロナでの生活では、できるだけ多くの人が触れるものを減らすことが求められる。そこで、お客さんが自身のスマホでQRコードを読み込むんでメニュー表を表示するシステムを導入する店舗が増え始める中、そのQRを使った電子メニュー表を無料で作成できるサービスが現れた。
ソフトウェア開発やホームページ制作を手掛けるAliveCast(福岡・薬院、中村理社長)は、コロナ禍で大きな打撃を受けている飲食店を支援するため、完全無料で電子メニューを作成するサービス「ExMenu(エクスメニュー)」(https://store.exmenu.jp/)を7月15日にリリースした。
「ExMenu」は、お客さんがスマホでQRコードを読み込むと、メニューを閲覧できるもので、飲食店はメニュー表を消毒する手間を減らせるとともに、日々変わる「おすすめ」や「日替わりメニュー」「旬のメニュー」などの追加・変更・削除や、金額の変更などを管理画面から簡単にできる。
電子メニューは、「メイン」「おすすめ」「ドリンク」などのカテゴリーを設定し、その中にメニュー名と料金、写真を登録して作成する。あくまで紙のメニューブックをお客さんのスマホに置き換えるだけなので、注文機能はついていない。
また、新型コロナ対策として、希望者を対象にトップ画面でメールアドレスを入力すると、その店で新型コロナのクラスターが発生した場合、店から連絡を受けたAliveCast社が、登録者にメールを送るサービスも付属している。このメールアドレスはAliveCast社が管理し、店側には伝えられない。
「ExMenu」は、電子メニューを手軽に導入できるようにと、同社が昨年11月にリリースしたセルフオーダー・決済システム「ExOrder(エクスオーダー)」の注文・決済などの機能を除いて、メニュー表だけに特化させたもの。いわば試供版のようなもので、「ExOrder」の認知度を高める狙いもあり、無料とした。
「ExOrder」は業務の効率化とペーパーレスを実現するために開発されたシステムで、「ExMenu」と同じ仕組みのメニュー表に注文ボタンが追加されており、そのまま注文と決済をスマホで完結できるシステム(プランにより利用できる機能は異なる)。注文されたメニューはキッチンのタブレットに表示されるため、キッチンプリンターも不要となる。
料理が出来たら、ホールスタッフのスマホに配膳指示の通知が届き、お客さんに配膳する流れとなるが、フードコートやセルフ店舗向けに、調理完了をスタッフではなくお客さんのスマホに知らせることで、お客さんに料理を取りに来てもらうという使い方にも対応している点が特徴だ。ホールスタッフが使うスマホやキッチンで使うタブレットは飲食店側が用意する。
「ExOrder」(https://exorder.jp/insyoku-order/)は3プランあり、フリープランはセルフオーダーとキッチンのタブレットで注文を受ける機能を利用でき、ホール用スマホ向け3台分とキッチン用タブレット3台分を無料で提供する(1店舗のみ)。スタンダードプランは1店舗につき、ホール用とキッチン用で各5台分と割引クーポンを発行できる機能などがついて月額8000円(税別)。プレミアムプランでは、1店舗につきホール用とキッチン用各7台分と、お客さんのスマホでの決済機能、外国語対応、サブスクリプション機能なども追加され、利用料金は月額2万8000円(同)と決済手数料(3.6%)となっている。
メニューブックをなくすだけであれば「ExMenu」、スマホやタブレットを用意して注文の手間やキッチンプリンターを省くなら「ExOrder」のフリープランかスタンダードプラン、決済機能も利用してレジをなくすならプレミアムプランという使い方になる。