今回の新型コロナウイルスを機に、テイクアウトを始める飲食店が増える中、注文を受け付けるツールを無料で提供する企業が相次いでいる。
飲食店向け予約/顧客台帳サービス「トレタ」を販売するトレタと飲食店向け予約管理システム「ebica」を運営するエビソルは、共に初期費用や月額利用料などはかからず、必要事項を入力し、提供されたURLのリンクを店の公式サイトやSNSに貼ったり、チラシなどに印刷すると、テイクアウトの注文を直接受けることができ、顧客情報も管理できるツールの無料提供を始めた(※関連ページ参照)。
トレタの「トレタ テイクアウト」は、オンライン決済サービス「Square」と提携し、決済手数料(売上の3.6%)を支払うことで利用できる。エビソルの「Diny to-go(ダイニー トゥ ゴー)」は、完全無料で利用できる「店頭決済プラン」と「オンライン決済プラン」の2種類を用意。「オンライン決済プラン」はオンライン決済サービス「Stripe」と提携し、こちらも決済手数料(同)を支払うことで利用できる。
また、両社ともFacebook社の国内パートナーになったため、オンライン決済を利用し、Instagramビジネスアカウントを持っていれば、Instagramアカウントのプロフィールにアクションボタン「料理を注文」を設定したり、投稿するストーリーズの画像や動画に「料理を注文」のスタンプを貼ることができ、「Instagram」の写真や動画から直接注文フォームに誘導できる。
さらに今回、伊藤忠商事もテイクアウト支援サービス「おもちかえり.com」の無料提供を始めた。世界的に活躍するエンジニアの中島聡氏が米国で開発したテイクアウト支援サービス「OwnPlate」の日本版「おもちかえり.com」を、一般社団法人シンギュラリティ・ソサエティ(東京・渋谷、中島聡代表理事)が開発。食品流通業界に広範囲なネットワークを持つ伊藤忠商事が販促する。
「おもちかえり.com」では、テイクアウトの事前予約・オンライン決済用ウェブページを即時に作成・運用できる。受注状況をLINEメッセージでリアルタイムで受け取ることもできる。また利用者が料金の10・20%を「心付け」として支払い、気に入ったお店を応援できる機能も備えた。決済サービスはエビソルと同じ「Stripe」と提携しており、コストは2社と同様に決済手数料(同)のみとなっている。
「Instagram」のアカウントを持っておらず、店頭での決済で良ければ完全無料の「Diny to-go」がベストとなる。ただ店頭決済の場合は、無断キャンセルの可能性も考慮しなくてはならない。
キャンセルによる損害の心配がないオンライン決済を導入し、かつ「Instagram」も活用したいという場合、「トレタ テイクアウト」 と「Diny to-go」の2つとなるが、決済提携サービス以外はほぼ違いがないため、将来的にどちらかの予約管理サービスを導入することなども考慮して選ぶのも良いかもしれない。一方、応援してくれるファンをがっちりつかんでいる店では、「心付け」を受け取れる「おもちかえり.com」であれば、収入増を期待できる。
3社とも売上がないかぎりコストはかからないため、まずは気になったサービスを試してみても損はないだろう。
サービス名 | トレタ テイクアウト | Diny to-go | おもちかえり.com |
運営会社 | トレタ | エビソル | 伊藤忠商事、(一社)シンギュラリティ・ソサエティ |
決済方法 | オンライン | 店頭/オンライン | オンライン |
決済提携サービス | Square | Stripe | Stripe |
利用料 | 決済手数料(3.6%) | 店頭:完全無料 オンライン:決済手数料(3.6%) | 決済手数料(3.6%) |
SNS連携 | Instagramから注文 | Instagramから注文 | LINEで受注確認 |
その他 | ― | ― | 「心付け」を受け取れる |
URL | https://www.ebisol.co.jp/diny/ | https://omochikaeri.com/ |
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