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飲食店の強み+αのハイブリッド─withコロナ時代の生存戦略に賭ける想いとは

2020年6月6日 8:03 am

 5月4日のゴールデンウイークの最中、千さんは自身が経営する「上州熟成醤油らぁめん つる屋 元総社本店」を業態転換し、「街のお肉屋さん お肉卸売りセンター」をオープンした。グループ内に自社の設備会社もあるため、ラーメン店を閉めてから改装工事に入り、諸々の許可を取り、わずか8日間でオープンする早業だった。

群馬・新前橋にあるZIONの直売所《お肉卸売りセンター》

 実は、前述した高崎市内の人気飲食店の弁当は、この「お肉卸売りセンター」の集客フックとしてもってきたのだ。

 そもそもこの店舗はラーメン店。その前は「HottoMotto」で、さらにその前は精肉店だったため、2層になった厨房があった。奥の厨房ではすでに肉関係の許可を取得済みで、手前の厨房では弁当など、必要な許可を取るのも非常にスムーズだったという。

 千さんは、5年ほど前に、別の場所で「ぷるぷる精肉店」という肉の小売業をやっていたことがあり、手狭になり現在の元総社に移ってからラーメンの研究を開始したことから、精肉店はクローズしていた。そのため、そもそも精肉小売のノウハウと食肉販売・製造の許可などはその時に取得していた。

 ラーメン店をするかたわら、奥の厨房では各店の肉のカットをするなど、セントラルキッチンとして使用していたことから、コロナ禍で各店舗が休業を余儀なくされる中、売上確保をしていく新たな手段としてはもちろんのこと、休眠したセントラルキッチンを活かす道としても、精肉小売業を思いついたわけだ。