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ユーザーの〝グルメサイト離れ〟加速!? 飲食店は7割がグルメサイト情報を「信頼しない」「気にしない」【テーブルチェック調べ】

2020年1月7日 8:37 am

 飲食店向け予約・顧客管理システムの開発・提供を手掛けるTableCheck(東京・銀座、谷口優社長、以下、テーブルチェック)が実施した第1回「グルメサイトに関するユーザー&飲食店意識調査」によると「Google検索」や「地図サービス」、「SNS」などを参考にするユーザーが増え、グルメサイト離れが進んでいることがわかった。同時に飲食店側では、グルメサイトの情報を「信頼しない」「気にしない」が7割を占めるものの、実際には利用をやめられない実情も浮き彫りとなった。

 「グルメサイト」に関してはSNSを中心に、評価基準や表示順位などが広告掲載料と連動し、信ぴょう性にかけるのではないかと騒がれるようになった。

 それらの影響もあり、今回のアンケート調査では、グルメサイトでの点数やランキング表示などを「あまり信頼していない」「まったく信頼していない」と回答したユーザーが合わせて26%にものぼり、「飲食店選びの基準になっている」と回答した12%の2倍以上となった。

 利用する手段を複数回答で聞いたところ「グルメサイト」が78.9%を占めるものの、新たな検索ツールとして「Google検索」(48.3%)も半数近くに上り、「地図サービス」(30.2%)「SNS」(23.6%)なども浮上している。同社はこの結果を受けて「情報の信頼性低下とともに、新たな飲食店検索・予約ツールを利用しだしており、〝グルメサイト離れ〟が起こりつつあるといえるのではないか」と分析。

 グルメサイトの利用頻度については、「利用頻度が減った」(16%)「まったく利用・閲覧しなくなった」(3%)「もともと利用・閲覧していない」(8%)と回答した人を合わせた27%が、「利用頻度が増えた」と回答した10%を大幅に上回った。その理由として、「信頼できる情報ではないから」(24.4%)を抜いて、「自分好みのお店が見つからないから」(26.7%)がトップだった。「広告掲載料が高額になるほど表示順位が上位になるといった、広告掲載料と連動した表示方法が、ユーザーにとってパーソナライズされていない情報として受け止められ、『自分好みのお店が見つからない』という回答につながっていると考えられる」(同社)とする。また、ユーザーがもっとも利用するグルメサイトを単一回答で尋ねた結果、約半数が「食べログ」(48%)と回答。2位の「ぐるなび」と「ホットペッパー」(23%)を大きく上回った

 飲食店側のアンケート結果を見ると、「間違っている評価が多い」(8.7%)「評価は信用していない」(23.1%)が合わせて31.8%で、さらに「評価はあまり気にしていない」(37.8%)まで含めると69.6%にまで上った。ちなみに、「評価は正しいと思う」と回答した人はわずか3.6%だった。一方、ユーザー評価が営業に影響していると回答した飲食店は4割を超え「飲食店にとって信ぴょう性の低い情報が、まだまだユーザーへの影響力を及ぼしている」(同社)現状が明らかとなった。

 そのようなグルメサイトの利用を、なぜやめられないのかとの設問には、「認知度向上による新規顧客の獲得」(63.0%)、「店舗情報の掲載」(60.1%)「予約受付」(49.7%)と続いた。

 また、グルメサイトと有料契約していない飲食店がグルメサイトを利用しない理由として「月額の広告掲載料が高い」(38.1%)がトップとなり、次いで「掲載情報が信用できない」(30.1%)となった。同社は、「注目すべきは『送客手数料』(16.1%)も理由に挙げられている点だ。月額の広告掲載料に上乗せする形で、予約毎に決まった手数料を飲食店が負担する『送客手数料』は、グルメサイト各社が注力している事業なだけに、飲食店側の実情との乖離があるのは見過ごせない」と分析する。

 自由記述式の回答欄では、ユーザー評価と表示順位の公平性・透明性を求める声が多く、飲食店側に「掲載拒否」など自店舗の掲載情報をコントロールする権利を認めてほしいとの意見が目立った。

 同調査は、20~60代の全国の男女1112人と、20~50代の飲食店に勤務する全国の男女588人を対象にインターネットで調査を実施した。