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異物混入を未然防止へ! 4時間だけ毛髪固めるミストが誕生【トモ・コーポレーション】

2020年1月4日 8:38 am

 飲食店を経営していると、さまざまなクレームを受けるが、その中で最も多いのが料理の中への異物混入に関するもので、特に「髪の毛が入っている」という内容のものもよく目にする。

 トモ・コーポレーション(東京・代々木、井上知子社長)は、飲食店にとって大きなマイナスになる毛髪の混入を防ぐ飲食店向けヘアミスト「KEOCHINON(ケオチノン)」税別1760円を発売した。「KEOCHINON」の最大の特徴は、固まりすぎず、3~4時間経てば手ぐしが通るようになる点だ。丸1日髪の毛を固める従来のヘアスプレーとは異なり、飲食店の従業員が働いている時間だけ髪の毛を固め、仕事が終わり帰宅する時にはゴワゴワ感がなく、手ぐしやブラシなどですぐに取れ、シャンプーでも簡単に洗い流せるようにした。

 また、お客さんの食事の迷惑とならないように無香料とし、同時に料理やタバコの臭いなどが髪の毛につかないように茶カテキンでガードする。さらに火を取り扱う現場であるため、ノンガス仕様のヘアミストとし、シェフ帽をかぶった襟足などに吹きかける分(スプレー3~5回)で5~10円のコストパフォーマンスを実現した。

 美容関係の企業を20年以上経営し、4年前にセミリタイヤした井上社長は、2018年9月に某有名カフェにランチに行き、注文した料理の中に切れ毛が入っていたということに遭遇。偶然にもその3日後にも、なかなか予約の取れない恵比寿の鮨店で同様に切れ毛が混入していたことがきっかけとなり、「セミリタイヤした立場ながら、この異物混入問題に何か策はないのかと考える日々が続いた」と話す。

 人間の生理として、髪の毛は毎日平均90本以上自然離脱するという。井上社長は「もし料理に髪の毛が混入していても、ほとんどのお客様はその店にクレームを言わない。しかし、そのお客様はもう2度と訪れることはない。そのため、お客様からのクレームを1件でも減らすことができたらと、現場の要望なども調査しながら試行錯誤の上、1年がかりで完成した」という。現在、特許も申請中で、同社サイト(https://tomo-corporation.com/)で購入できる。