リクルートの外食市場に関する調査・研究機関であるホットペッパーグルメ外食総研が実施した「外食店のダイナミックプライシング(同じメニューが時間帯や立地などで価格が変わる設定)導入に関する消費者アンケート調査」によると、「ダイナミックプライシング」導入に「納得できる」が半数を超えた。
外食店の「ダイナミックプライシング」導入の納得感について聞いたところ、「納得できる」と「やや納得できる」を合わせた「納得できる・計」が54.3%となり、「納得できない」と「あまり納得できない」を合わせた「納得できない・計」の18.3%を大きく上回る結果となった。
性年代別では、「納得できる・計」の割合が最も高かったのが「30代女性」(58.6%)で、逆に「納得できない・計」の割合が最も高かったのは「50代男性」(23.8%)だった。
「ダイナミックプライシング」の各種別の実施店を知っている回答者を合計した「知っている・計」(=認知率)を集計したところ、「同じメニューがランチやモーニングでは割安」が最も高く40.8%であった。次いで、「夕方早めは割安(ハッピーアワーなど)」が38.1%、その次は「店の立地によって同じメニューの価格が変わる」で36.1%だった。また、価格の違いを「意識して利用したことがある」回答者が最多であったのも「同じメニューがランチやモーニングでは割安」で19.0%だった。
続いて、「納得感のある価格設定」の質問では、1位「ランチやモーニングで割安になる」(68.4%)、2位「夕方早めは割安(ハッピーアワーなど)」(63.1%)、3位「深夜は割高(深夜料金など)」(58.1%)の順となった。逆に、「納得できない・計」の割合が最も高かったのは、「混雑状況で変わる」で41.1%を占めた。
同総研では、「行列に並ばなくても食べられる有料の優先権(いわゆるファストパスのようなもの)も登場しているが、同じメニューに対しお金を多く払ったほうが優先される方式は、店側としては利益率が上がる一方で、消費者側は不公平感を感じる場合もあるかもしれない。今後、定着していくか注視したい」としている。
「ダイナミックプライシング」に「納得できる/できない理由」を尋ねたところ、納得できる理由では1位「価格が安くなる時間帯を選ぶなど選択肢が増えるので良い」(36.5%)、2位「飲食店も経営が厳しいと思うので仕方ない」(32.5%)、3位「価格戦略は企業や店舗が決めれば良いと思う」(29.4%)という結果だった。
納得できない理由のトップ3は、1位「価格が複雑になるのは歓迎しない」(20.5%)、2位「考えすぎて気軽に利用できなくなってしまう」(20.2%)、3位「場所や時間によって高かったり安かったりするとストレスに感じる」(19.2%)だった。
同調査は10月1~10日、首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女にインターネットでアンケートを取ったもので、有効回答数は7708件(首都圏3951件、関西圏1980件、東海圏1777 件)だった。