飲食店の出店開業・運営やM&Aなどを支援するプラットフォーム「飲食店ドットコム」を運営するシンクロ・フードが、同社運営の「求人飲食店ドットコム」に登録されたデータを基に2023年度下期の募集時平均給与データを集計したところ、東京都で最も月給が高かった業態は「和食」の29万6161円だった。
求人飲食店ドットコムの主要業態である「イタリアン」「和食」「居酒屋・ダイニングバー」「カフェ・喫茶店」「洋食・西洋料理」の5業態で、東京での業態別の平均給与額を調査したところ、いずれの業態も2023年度上期から給与額が上昇。最も上昇した業態は「カフェ・喫茶店」(5291円上昇)で、上がり幅が少なかった業態は「居酒屋・ダイニングバー」(2125円上昇)だった。
同社では「『カフェ・喫茶店』は、2023年上期での対前半期差額が+850円と少額だったため、他の業態と大きな差額が発生しており、その調整として大幅に上昇していると考えられる。また、比較的採用が難しい業態は給与が高めで、採用しやすい業態は給与が低めという傾向にあり、24年上期もおそらくこの傾向は続くと思われる」としている。
職種別平均給与額では、23年度上期と変わらず、東京都・大阪府ともに「サービス・ホール」よりも「調理スタッフ」の給与額と対前半期からの上がり幅は、調理スタッフの方が高くなっており、調理スタッフの人手不足がより深刻になっていることが伺われる。
23年度下期における飲食業界の平均月給について、東京都は28万9256円となり、23年度上期比3877円上昇(前半期比101.3%)、大阪府は27万5343円で同2780円上昇(同101.0%)、愛知県は26万5263円で同1585円上昇(同100.6%)、福岡県は同2111円上昇で、25万9598円(同100.8%)という結果になった。
平均時給については、東京都は同28円上昇の1262円(同102.3%)、大阪府は同29円上昇の1160円(同102.6%)。愛知県は同37円序章の1092円(同103.5%)、福岡県は同21円上昇の1046円(同102.0%)という結果になった。
23年度下期は、最低賃金改定があったものの各都市ともに同上期に比べて月給の上昇率は鈍化しており、時給は愛知県の上昇率が最も高い結果となった。
同調査は、23年10月~24年3月の東京都・大阪府・愛知県・福岡県における求人案件(6万1920件)を基に求人募集時の給与下限額より算出した。