楽天グループ(以下、楽天)は11月6日から、自動配送ロボットによる飲食店や小売店の商品配送サービス〈楽天無人配送〉の提供を、東京都の晴海全域と月島、勝どきの一部(以下、晴海周辺)で始めた。8月からテストサービスとして試験的に運用していたもので、自動配送ロボットによる配送サービスを都内で本格的に提供するのは、楽天として初の取り組みとなる。
自動配送ロボットには人は随行せず、自動走行と遠隔操作で運行。スマートフォン向けの専用サイトから注文することで、「スターバックス コーヒー 晴海 トリトンスクエア店」「吉野家 晴海 トリトンスクエア店」「スーパーマーケット文化堂 月島店」の3店舗の商品を、指定した場所で受け取れる。届け場所は、晴海周辺のマンションやオフィス、公園などの62カ所(順次拡大予定)で、在宅時に加えて仕事の合間や外出時などでの利用も想定する。
配送料は税込100円で、クレジットカード、「楽天ポイント」、「楽天キャッシュ」での支払いに対応。配送可能時間は、年末年始などの一部を除く毎日10~21時で、最短30分から最長6日先までの15分ごとの枠から指定できる。
配送中は自動配送ロボットの現在地や到着予定時刻などの配送状況を専用サイトで確認でき、到着時に自動音声電話とSMSにより通知される暗証番号を機体の操作パネルに入力して商品を受け取るという流れになる。
今回導入した配送ロボットは米・Cartken社製の〈Cartken モデルC〉。一般社団法人ロボットデリバリー協会が制定する安全基準の夜間適合審査に国内で初めて合格したことから、夜間走行も可能となった。
楽天は、自動配送ロボットによる無人配送の事業化に取り組んでおり、これまで多数の実証実験を実施。21年3月に国内で初めて自動配送ロボットの公道走行による配送サービスを期間限定で実施し、22年11月から期間を限定しない定常サービスをつくば駅周辺で展開(現在は終了)するなど、ノウハウを蓄積してきた。同社は今後も自動配送ロボットによる安全・安心で便利なサービスの提供を拡大し、物流イノベーションの実現を目指すとしている。