
レミーコアントロージャパン(東京・虎ノ門、ザビエ・タロ社長)は10月1日、日本初上陸となる「EUオーガニック認証」を取得したフレンチウイスキー〈ドメーヌ・デ・オート・グラス〉500mlを発売する。ラインナップは、パーマネントコレクションの〈アンディジェン〉〈ヴュルソン〉と日本限定キュヴェ〈エピステーメ R16P24■〉〈エピステーメ R16P24●〉の4品。
2009年にフレデリック・レヴォル氏が創設したフランスのウイスキー蒸留所「ドメーヌ・デ・オート・グラス(以下、オート・グラス)」は、ローヌ地方の中央部に位置するトリエーヴにある標高900mの高地で、テロワールを中核に据えたフレンチウイスキー製造をヴィジョンに掲げている。
19軒の地元農家からなる協同組合と共に穀物からボトリングまで一貫したスピリッツ造りを手掛ける先駆的な農園醸造所で、有機農業と再生農業を進める地元農園が持続可能な輪作で育てた大麦やライ麦、スペルト小麦を使ったオーガニックウイスキーを蒸留している。
フレデリック・レヴォル氏は「私たちのウイスキーづくりは、穀物とその環境を生産工程の中心に置き、味わいの中核に据えることで自然との関係を問い、ウイスキーの世界におけるテロワールの概念を探索している。私たちは樽やブレンドの枠を超え、何よりもまず穀物に注目し、故郷であるフレンチアルプスの素晴らしい山岳地帯の味わいと生命力を備えたウイスキーを造っている。環境上の制約を創造力の源泉に変え、その土地の個性を着想源に新しい美学と新しい味わいを創造する。これこそ穀物からボトリングの過程でオート・グラスが日々取り組んでいる社会的課題である」とビジョンを説明する。
同農園蒸留所では、伝統的な製法でウイスキーとオー・ド・ヴィを製造しており、土地はもとより穀物・水・酵母・エネルギーの4つの要素を幅広く調査・分析。再生可能エネルギーや地域エネルギー資源の利用など、持続可能な発展のために現代的で革新的なアプローチを巧みに生産工程全体に導入しており、不耕起農法で土壌を活性化してエネルギーを節約し、農場内の生態回廊を通じて生物多様性を促進しているという。
日本で発売する4品のテイスティングノートは以下の通り。
■〈ドメーヌ・デ・オート・グラス アンディジェン〉
Grain:大麦麦芽100%
アルコール度数:44%
希望小売価格(税別)9000円
◆テイスティングノート
【熟成】2012年から19年産の区画別オー・ド・ヴィーをヴァッティング。オー・ド・ヴィーを調和させるため、厳選されたフレンチオーク樽(セシルオークとペダンキュレートオークの新樽、オート・グラスで使用したウイスキー、コニャック、アルマニャック、ワインの古樽)で熟成。
【香り】微かな木の香りと共に、砂糖漬けの果実、白桃、やや酸味のある洋ナシの芳香が、ペストリーを思わせる甘いアロマへと続きます。
【味わい】調和の取れた特徴ある苦みの後、官能的で軽やかなフローラルノートが現れます。高地の果樹園の花々に包まれた大麦畑に潮風が漂ってくるようだ。そうして次第に滋味深く複雑な味わいが現れる。大地と空の味わい。
【フィニッシュ】洗練された甘さ、滑らかでクリームを思わせるテクスチャーが広がった先には、エキゾチックさ(レモン、チョコレート)と、広がる山々の香りが感じられます。
■〈ドメーヌ・デ・オート・グラス ヴュルソン〉
Grain:ライ麦麦芽100%(「Caroasse」と呼ばれる地場品種)
アルコール度数:43%
希望小売価格(税別)7000円
◆テイスティングノート
【熟成】ニュートラルコンテナー:ステンレススチールおよびアンフォラ
【香り】ペトリコール(降雨時に発生する土のような匂い)を漂わせるヴュルソンには、一瞬のフレッシュさ、ジューシーな果実味、大地をよりどころとする煙るようなアーシーさがあります。
【味わい】口に含んだ時のテクスチャーは滑らか、かつオイリー。まるで振り子のように、果実っぽさ、甜菜糖の甘さ、味わい深い苦味が行ったり来たりします。やがてライ麦、その旨味、ベーカリーの豊かな味わい、熟したプラム、リンドウやアガベや甘草のノートが渦巻き、それらが混じり合い全体が調和します。
【フィニッシュ】洗練された甘さ、滑らかでクリームを思わせるテクスチャーが広がった先には、エキゾチックさ(レモン、チョコレート)と、広がる山々の香りが感じられます。
■〈ドメーヌ・デ・オート・グラス エピステーメ R16P24■〉
Grain:ライ麦麦芽100%(「Caroasse」と呼ばれる地場品種)
アルコール度数:43%
希望小売価格(税別)1万1000円
◆テイスティングノート
【区画】ガベール:ThierryとEric Ailloud-Perraud兄弟が所有する区画で、オート・グラス蒸留所から11 km離れたクレルに位置し、モレーン(氷堆石)のがれを含む粘土質ローム土壌で構成
【香り】フルボディを感じながらライ麦畑をめぐる。その香りは、真っ直ぐ滑らかで流れるような道のりを思わせます。
【味わい】ライ麦のすっと伸びる様、滑らかさ、ミネラル感、純粋なスモーキーさが一口目に凝縮。植物系のノートを見せ、高山の花々をたたえた一杯が、このスピリッツの原産地の力強さ、すなわち丘陵地の起伏や標高を思い起こさせます。
【フィニッシュ】滑らか、そしてあと口には軽快で心地よい苦味が現れます。
■〈ドメーヌ・デ・オート・グラスエピステーメ R16P24●〉
Grain:ライ麦麦芽100%(「Caroasse」と呼ばれる地場品種)
アルコール度数:43%
希望小売価格(税別)1万1000円
◆テイスティングノート
【区画】ヴュルソン:ヴュルソンの尾根の丘陵地に位置する区画、オート・グラス農園にある小さな一区画で、仕込みに使うミネラルウォーターがこの流紋岩質の山から湧き出ています
【香り】春に煙るスミレやハイビスカスの花を漂わせるアロマ。灰に包まれたような花々の香り。
【味わい】ベルベットのようなテクスチャーに、砂糖漬けのアプリコット、ライ麦のアーシーでピリッとした風味、瓶入りマーマレード、焚き火クッカー。
【フィニッシュ】繊細な木のノートにほのかなバニラが混じり、ライ麦の滑らかさが広がります。