酒類食品総合卸のコンタツ(東京・八重洲、津久浦慶明社長)が東京・秋葉原で開催した「クラフトビールフェア2024」では、大手の定番からまだあまり流通していない商品まで、国内外のさまざまなクラフトビールを取り扱うブルワリーや卸業者が39社参加した。その中から、記者がこの夏向けに注目した国内外のクラフトビール4品を紹介する。
国内ブルワリー1品目は、富士の天然水「ふじざくら命水」を使用したクラフトビールを醸造する山梨・富士河口湖にある富士桜高原麦酒のクラフトビールの中から、日本では珍しい燻製ビールの〈Rauch(ラオホ)〉だ。
燻製ビールはドイツ・バンベルク特産のクラフトビールで、同社では、ブナのチップで麦芽を燻煙して、モルトにスモークフレーバーを綴じ込めた。グラスに注いだ瞬間から燻製食品のような香りがたち昇る超個性的な風味で口当たりはマイルド。海外のアワードも受賞している。アルコール分5.5%、IBU(苦み)21。
続いては、古くから沖縄ゆかりの人が多く住み「リトル沖縄」と呼ばれている大阪市大正区で、新たな名物となるクラフトビールを造ることを目指しているMARCA(大阪・堀江)の〈COFFEE AMBER(コーヒーアンバー)〉。
和歌山のロースターズの豆(エチオピアの浅煎り)を漬け込んだアンバーエールで、主役はあくまでコーヒー豆ということから、それに合わせるブランシュガーのようにベースのビールを作っているという。アルコール分4.5%、IBU10程度。
輸入クラフトビールでは、日本ビールが取り扱いを始めたフィリピンの代表的ブランド〈サンミゲール〉のアルコール分3%でフルーツフレーバーの〈アップル〉と〈ライチ〉が、これからの暑い夏にはぴったりだ。
酒類では発泡酒にカテゴリーされるが、アップルとライチの自然な風味にほのかな甘みが加わり、低アルコールなので飲みやすくアルコールが苦手という人でもジュースのように楽しめる。フィリピンでは女性に大人気だという。
C&F JAPANは、タイのNo.1ブルワリーのフルムーンブリューワークスのクラフトビールを取り扱っており、その中で独自の味わいを楽しめるのが〈ブッサバー EX-ヴァイス〉だ。
伝統的なヴァイツェンビールのレシピに、プーケット原産のジンジャーフラワーのアクセントを加え、新鮮で華やかな香りが特徴的。大麦麦芽、100%ドイツ産小麦麦芽に天然ホップを織り交ぜ、繊細でフルーティーな味わいとなっている。商品名は、タイ文学に登場する最も美しい香りの女性「ブッサバ」という名にちなんで名づけられたという。アルコール分4%、IBU15。
このほかにも、同フェアには、韓国・済州島のクラフトビール〈チェジュウィットエール〉(参照:韓国クラフトビールのシェアNo.1!! 済州島「チェジュ」のフラッグシップ商品が日本上陸【友和貿易】 https://foodfun.jp/archives/27784)が、発売前に披露されるなど、国内外のクラフトビールを楽しめるフェアとなり、多くの飲食店関係者やバイヤーなどが集まり賑わいを見せていた。