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特許製法でリアルな風味!台湾の植物性肉「NO MEATING」が日本市場へ参入【台畜×日本エイサー】

2023年11月14日 10:10 am

 日本ではタピオカミルクティーをはじめ魯肉飯(ルーローハン)や台湾カステラなど、台湾料理が人気だ。一方で本場の台湾では「素食」と呼ばれる料理が広く親しまれている。

 素食とは台湾の精進料理で、動物性食材を一切使わないヴィーガン食だ。仏教徒の多い台湾では町中にも素食料理店が数多く存在しており、記者も食べたことがあるが、本当に動物性食材を使っていないのかと驚くぐらい満足のいく味わいだった。

 そんなヴィーガン料理先進国の台湾から、白身魚や豚肉そっくりの100%植物性原料のフィッシュフライやとんかつが上陸してくる。

動物性食材不使用の〈植物性とんかつ〉

 パソコンや関連機器のメーカーである日本エイサーはこのほど、都内で記者発表会を開き、台湾の精肉加工会社である台湾農畜産工業(以下、台畜)が手がけるプラントベースフードブランド「NO MEATING(ノーミーティング)」と食肉ブランド「台湾ハム」の日本総代理店として台畜と提携し、業務用を含めた国内食品市場へ参入すると発表した。

 台畜は1967年、日本政府の支援を受け高崎ハムとの合同出資で設立された会社で、20年に植物性食品を開発・製造する子会社として緒裕バイオテックを創立した。

 緒裕バイオテックでは大豆や小麦、えんどう豆などの素材を組み合わせ、特許製法により肉の筋繊維や食感をリアルに再現することに成功。

 フィッシュフライやとんかつなどの味わいを、動物性食材不使用の100%植物性で実現した「NO MEATING」の製造を開始した。現在は台湾とアメリカを中心に販売している。

 記者発表会で「NO MEATING」の冷凍品となる〈植物性フィッシュフライ〉や〈植物性とんかつ〉、〈餃子〉などを試食したところ、いずれも風味はよく、特に〈植物性フィッシュフライ〉の白身魚特有の食感の再現度は高かった。言われなかったらまず気づかないレべルだ。

〈植物性フィッシュフライ〉の調理例

 石岡宣慶日本エイサーNext Acer担当部長は、「台湾では餃子チェーンでも使われており、すでに日本の飲食企業とも商談を進めている。OEM対応も可能だ」とし、「ヴィーガンやベジタリアン向けというより、『おいしいから食べる』をコンセプトに訴求したい」という。

 ハラール認証やヴィーガン認証の有無については、「ハラール認証を取得しているのは現在は『台湾ふりかけ』シリーズのみ。ハラール認証の必要な国への輸出も視野に入れており、必要に応じて対応していく。ヴィーガン認証は今後検討する」という。

 なお、小売用は24年1月からヴィーガン製品専門のECサイト「ブイクックスーパー」で販売予定だ。

 詹國良(ボブ・セン)日本エイサー社長は、「事業多角化を検討する中で当初は食品ビジネスは考えていなかったが、昨年に張華欣(ハリソン・チャン)台畜会長と出会い、関係の深い日本へ製品を広めたいという想いやSDGsを尊重する理念に共感して協力することにした」という。

 また「24年には日本国内のプラントベース市場において1%のシェアを実現し、5年で5倍にしていきたい」と意気込んだ。