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飲食店利用者の7割超が「キャッシュレス決済派」に!男性は30代、女性は60代が最多【HPグルメ外食総研】

2023年1月27日 8:45 am

 最近、多くの消費者が「キャッシュレス決済」を利用している。財布を出さずにスマホやICカードなどで決済できる手軽さや、ポイント・キャンペーンなどの特典に加え、コロナ禍によりできるだけ非接触で済ませたいという心理も働いているようだ。

 店側にとっては手数料など諸費用がかかるため、キャッシュレス決済導入に消極的なケースもあるだろうが、消費者の利用実態はどうなのだろうか。

 リクルートの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研(以下、外食総研)」が、飲食店でのキャッシュレス決済の利用実態と意向について調査したところ、「ほぼ毎回、現金以外の支払い方法を利用している」と「現金以外の支払い方法の利用が多いが、時々現金で支払うこともある」を合わせた「キャッシュレス派」が計71.5%で、「滅多に現金以外の支払い方法を利用しないが、時々ある」と「現金以外では支払いしない」を合わせた「現金派」が計28.5%となり、「キャッシュレス派」が2019年3月調査時の計52.9%から大幅に増えたことが判明した。

■キャッシュレス派は60代女性に多く支払い方法はクレジットカードが主流

 「キャッシュレス派」は若年層に多いのか? と思いきや、60代女性で最も割合が高く(計74.9%)、次いで30代女性が割合が高かった(計74.6%)。逆に、20代女性は最も「現金派」(計32.0%)の割合が高かった。

 圏域別では、首都圏で「キャッシュレス派」が最も割合が高く(計72.8%)、関西圏は3圏域中「現金派」の割合が最も高かった(計30.7%)。これは2019 年調査結果と同様の傾向である。

※「キャッシュレス派」:「ほぼ毎回、現金以外の支払い方法を利用している」「現金以外の支払い方法の利用が多いが、時々現金で支払うこともある」のいずれかに回答した人を集計
※「現金派」:「滅多に現金以外の支払い方法を利用しないが、時々ある」「現金以外では支払いしない」のいずれかに回答した人を集計

 現在主に利用している支払い方法(現金以外でも支払いが可能な場合)は、1位「クレジットカード」(49.6%)、2位「QRコード・バーコード決済」(27.0%)。2019年比で「QRコード・バーコード決済」が急増した。

 性年代別では、「クレジットカード」の回答割合が最も高かったのは60代女性で83.9%、「QRコード・バーコード決済」は20・30代男女で利用経験者の割合が高かった。また、「交通系電子マネー」は首都圏で利用経験者の割合が高いという特徴があるようだ。

■ 今後の支払い意向、キャッシュレス決済を「利用したい」が計88.3%と圧倒的多数

 飲食店で現金以外の支払い方法を今後利用するかについて、「積極的に利用したい」と「まあ利用してもよい」の合計が88.3%。「あまり利用したくない」と「まったく利用したくない」の合計11.7%よりも圧倒的に優勢となった。

 性年代別では、30代女性(計90.8%)と20代女性(計90.0%)で、キャッシュレス決済の利用意向が9割を超えて高くなっている。逆に現金派が最も多かったのは50代男性(計
13.2%)という結果だった。

※「利用したい・計」:「積極的に利用したい」「まあ利用してもよい」のいずれかに回答した人を集計
※「利用したくない・計」:「あまり利用したくない」「まったく利用したくない」のいずれかに回答した人を集計

「ポイントやキャンペーン」がキャッシュレス最大の魅力、不安は「通信障害や停電」

 キャッシュレス決済にポジティブな理由は、1位「キャッシュレスにはポイントやキャンペーンなどの特典がある」(55.7%)、2位「キャッシュレスの方が財布がスッキリする、身軽になる」(48.5%)、3位「キャッシュレスだと支払いが早く済む」(44.5%)。

 ネガティブな理由は、1位「通信障害や停電等の非常時には使えなくなるリスクがある」(15.8%)、2位「現金しか利用できない店もあるため、現金の方が便利」(14.5%)、3位「キャッシュレスは請求額が膨らむ・使いすぎてしまうのが怖い」(14.1%)。

 性年代別では、30・40代女性で「キャッシュレスにはポイントやキャンペーンなどの特典がある」の回答割合が高い一方、「通信障害や停電等の非常時には使えなくなるリスクがある」「キャッシュレスは請求額が膨らむ・使いすぎてしまうのが怖い」「スマホやカードの紛失時に、決済機能の停止手続きが大変」と、ネガティブな理由に回答する割合も他の性年代より高かった。

 店の客層などによってキャッシュレス決済の種類を増やしてみるか、あるいは現金一本でいくかを検討してみるのも一案だ。

 この調査は、2022年12月1~8日、首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女9731人(首都圏4954人、関西圏2548人、東海圏2229人:男女比は男性50.3%、女性49.7%)を対象に実施した。