コロナ禍により健康志向が一層高まる昨今。昔から健康に良いとされている「緑茶」を、お酒の割り材としてのみならず料理に使うことで、簡単に写真映えする健康差別化メニューが完成する──?
明治40年創業の老舗茶店・菊之園(岐阜・白川口、渡邉和重社長)はこのほど、美濃白川茶を10倍に濃縮した〈美濃白川茶をギュッと濃縮 料理茶〉360ml・税込648円を販売した。
同社がある岐阜県加茂郡白川町は、国内の緑茶の主産地の中では自然環境の厳しい山間部に位置しており、昼夜の温度差が大きい高地特有の気候だ。
急峻な山間の地形、段々の石垣畑で育てられた白川茶は、山間に立ち込める深い朝霧が遮光と保温効果をもたらし、ゆっくりと旨味を蓄えながら豊かな風味と香りを育むという。
〈美濃白川茶をギュッと濃縮 料理茶〉は、そんな美濃白川茶を特殊製法で約10倍に濃縮した。無糖・無添加・無着色ですっきりとした味わいのため、料理本来の味を邪魔しないのが特徴だ。
濃縮ということは、お茶特有の苦みがかなり強くなるのではないかと思いがちだが、代表の渡邉和重さんによると特殊製法により苦みが抑えられるので、「薄めてお茶として飲むと、少し物足りないと感じるかもしれない。お風呂上がりに飲むとさっぱりしていいという声を頂いた」のだとか。逆に苦みが少ないからこそ、料理の味を邪魔せずに使えるともいえる。
また液体タイプのため、粉末タイプやティーバッグと違い、料理の材料に注ぐだけですぐ使えるので、溶かしたり抽出したりという手間が省ける。開封後は冷蔵庫に保管が必要となる。
お茶本来の鮮やかな緑色は、加熱後もあまり退色しないため、茶飯や炊き込みご飯にしたり、パン生地に練り込んだりと、熱を加える料理にも使える。これも特殊製法により、通常のお茶よりも退色しづらくなるのだそう。
「茶飯を酢飯にすると、さらに色が長持ちする」(渡邉さん)という。ちらし寿司や寿司ケーキなど、写真映えする料理に使えそうだ。
彩りはもちろん、お茶の成分を余すところなく食せるので、見た目に楽しく健康に訴求する差別化メニューが開発できるのではないだろうか。
また、緑茶割りや緑茶ハイなどの割り材や、ホットやアイスのお茶としても提供できるが、「急須で入れたものよりも風味は若干変わってしまうので、そのまま飲むよりは料理や割り材での使用をおすすめする」(渡邉さん)という。