コロナ禍により、デリバリーやテイクアウトなど、店内飲食以外の販売チャネルを拡大した店舗も多い。しかし一定の売上はあるものの、イートインをカバーするほどではない──というのが実感ではないだろうか。それを裏付けるような調査結果が出てきた。
ネットリサーチ会社のクロス・マーケティング(東京・初台、五十嵐幹社長)は2022年9月27~28日、全国の20~69歳の男女2500人を対象に「フードデリバリー」について調査したところ、直近3カ月の利用率は20%。20代の利用率は29%と最も高く、次いで30代の22%。若い年代ほど利用率は高い結果になった。
直近3カ月の利用者は、「料理・自炊するのが面倒・時間がない」「外食をするのが面倒・時間がない」ときに利用している人が多い。特に40代は「料理・自炊するのが面倒・時間がない」が64%と高い。
利用チャネルは、出前館やウーバーイーツなどの「デリバリーサービス」が49%、「ピザ、お寿司など専門のお店」は48%と2強だった。「フードデリバリー」は20~30代、「専門のお店」は50~60代の利用が高い。
注文したメニューは、「ピザ」が57%と最も高く、次いで「お弁当」「お寿司」「ハンバーガー・フライドチキン」が2割台であった。
フードデリバリーの不満点(複数回答)は、「配達料金がかかる/高い」32%、「配達エリアが限られる」30%、「少量を頼みにくい」23%、「届くまでの温度管理」22%などがあがった。
今までにフードデリバリーを利用したことのない人はその理由(複数回答)について、「配達料金がかかる/高い」35%、「外食するよりも価格が高い」22%、「デリバリーをしてくれるお店が近くにない」15%という点があげられた。
利用者の不満点や未利用の理由は、”価格”や”配達エリア”によるものが多く、特に50代は価格面の不満が高かった。
今後のフードデリバリー利用意向は全体で34%であり、若い年代ほど利用意向は高まるものの、最も意向の高い20代でも41%程度、60代は3割に満たない結果となった。
利用意向のある人では、自炊や外食の代替手段としてや、人が集まる時やイベント時などで利用したいといった意見が多くあがった。
一方、利用意向のない人では、利用料金の高さ、出来上がりをすぐに食べられない、配達スタッフの信用性や清潔感、個人情報取り扱いへの不安などの声が聞かれた。
新型コロナウイルス感染拡大もようやく第7波が収束しつつあり、大阪では「Go To Eat」の再開、全国では「全国旅行支援」が開始するなど、経済活動活性化へのテコ入れが始まる。デリバリーを続けるか否か、収支バランスを見ながらの経営判断が必要になっていきそうだ。