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栓抜き・缶切りどう使う?──Z世代雇用した飲食店の8割が世代間ギャップ実感!【シンクロ・フード調べ】

2023年6月5日 2:01 pm

 最近の飲食店では、1990年半ばから2010年代生まれのいわゆる「Z世代」と呼ばれる若い世代がアルバイトなどで働き始めている。人手不足が深刻化する飲食業界にとって、Z世代は頼もしい存在だ。

 飲食店経営・運営を支援するプラットフォーム「飲食店ドットコム」や飲食店に特化した調査「飲食店リサーチ」(https://www.inshokuten.com/research/company/)を運営するシンクロ・フードが、「飲食店ドットコム」を利用する経営者や運営者の中で、「Z世代の従業員の在籍歴がある」と回答した人に、「Z世代の従業員との間に、世代間ギャップを感じた経験があるか」と尋ねたところ、81.1%の人が「ある」(とてもある=35.8%、ややある=45.3%)と回答した。

 世代間ギャップの具体例について深掘りすると、「歓迎会や懇親会に誘ったところ、プライベートを優先したいと断られた。シフトへの協力態勢が以前より弱く感じる(東京都/焼肉/3~5店舗)」や「退社時刻になると、状況に関わらず引き継ぎ無しで帰宅してしまう(兵庫県/ラーメン/1店舗)」など、仕事よりプライベートを優先するケースが多いようだ。

 また、「缶切り、栓抜きを使ったことがない(東京都/洋食/1店舗)」「コーラなどの瓶の開け方を知らない(神奈川県/専門料理/2店舗)」など、缶切りや栓抜きなどの使い方を知らないケースも。

 そのほか、「電話での連絡を嫌い、LINEなどのツールで行う(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)」「電話の出方がわからないので、基本的に電話には出ない。出たとしても『ちょっと待ってください』と言って保留もせずに受話器を渡してくる(埼玉県/カフェ/1店舗)」など、電話での受け答えが苦手な場面もあるようだ。

 そのほか、「バイトに対する考え方。楽をしようとする、きついことはしたくない、最初からやりたい仕事だけやりたいという若者が多い(神奈川県/カフェ/1店舗)」「仕事に対する責任感。当日シフトのキャンセルや、遅刻が多く見受けられる。上記に伴う注意をすると、突然辞めてしまう(東京都/フランス料理/2店舗)」など、仕事に対する責任感が弱いと指摘する人もみられた。

■フレンドリーな接し方や褒めて育てるなどコミュニケーションを工夫

 これらのギャップに対して、どのようにコミュニケーションをしているかについては、「プライベートな会話を仕事中にも良く喋らせ、関係性を『友達』寄りにしていく。またフラットな関係を意識し、上下関係からの指示・司令は出さない(東京都/焼肉/1店舗)」「あだ名で呼ぶ。いい部分はフレンドリーに褒める(愛知県/カフェ/2店舗)」など、フラットな立場でフレンドリーに接するよう心がける人が40.5%と最多だった。

 次いで「難しいこと、キツいことは一緒にやるようにしている(東京都/イタリア料理/1店舗)」「注意する時は注意するが、そのあとのフォローを必ず入れるように気をつけている(大阪府/イタリア料理/1店舗)」など、仕事へのモチベーションを下げないように配慮する人が35.8%だった。

 そのほか、34.3%は「否定ではなく肯定することを意識しながら注意をする(神奈川県/バー/1店舗)」「できるだけ細かいことでも褒めるように心がける。休みを希望してきた時に理由を聞かない、嫌な顔をしない(大阪府/そば・うどん/1店舗)」と、仕事へのモチベーションを上げるように働きかけるケースも。

■ツール使用や従業員希望優先のシフト組みなど自店のルールを変更も

 さらに、Z世代の従業員がいることをきっかけに、自店舗の既存の慣習やシステムを変えた経験があるか質問したところ、7割以上が「ない(75.9%)」と回答。「ある」と回答したのは、24.1%の店舗にとどまった。

 「ある」と回答した人に、具体的に何を変えたのか、また変えたことによってどのような効果があったか聞いたところ、「社内チャットツールを使ったやり方に変えて、電話ではつながりづらかったメンバーとも連絡が取りやすくなった。メンバーとの情報共有が素早くできるようになった(神奈川県/カフェ/1店舗)」「これまでエクセルと希望用紙を使用してシフトを組んでいたが、LINEを活用するかたちに仕組み自体を変更。結果、シフトのアンマッチやミスがかなり減った(神奈川県/焼肉/11~30店舗)」など、従業員との連絡や情報共有にチャットツールを導入する対策が見られた。

 「シフトを契約シフトから希望シフトへ変更。シフト数は時期により減ったが退職者数は減少した(神奈川県/焼肉/11~30店舗)」「基本的に曜日固定でシフトを組んでいたが、本人の希望に沿って柔軟にシフトを組むようにしている(東京都/フランス料理/2店舗)」「シフトの調整を本人の意思優先にして離職を防いだ(神奈川県/アジア料理/3~5店舗)」など、従業員の希望に沿ったシフト組みを実施することで、離職率低下にもつなげているようだ。

 そのほか、「(仕事の)覚えは早いが、次のシフトでは直ぐに忘れてしまうので個人成果型にした。定期的に業務に関する知識小テストを実施。クリアできた場合の報酬は時給に反映した。覚えない人は覚えないので、評価の判断基準になった(神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)」「昇給に関して、どのようにすれば昇給に値するか明確にした(大阪府/イタリア料理/1店舗)」といった、成果に対する評価や昇給の判断基準を明確化するケースもみられた。

 世代間ギャップはどの時代でも必ずあるだろう。今の経営者や運営者が若い頃にも、上の世代から「今の若者は……」などと言われていたはず。

 昔は「働き手はいくらでもいる」だったが、今は「喉から手が出るほど働き手がほしい」だ。Z世代との価値観の違いを認識した上で彼らがより働きやすい環境にしていくことで、離職率低下や仕事の質の向上に繋げられていくのかもしれない。

 この調査は、2023年4月27日~5月9日、飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者)360人に対して行われた。